岡本浩

東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者/スマートレジリエンスネットワーク代表幹事

プロフィール

1965年東京生まれ.麻布高校,東京大学工学部電気工学科卒業,同大学院博士課程修了.1993年東京電力株式会社入社.主に電力系統やスマートグリッドに関わる技術開発や技術戦略,実務,海外コンサルティングなどを担い,同社常務執行役経営技術戦略研究所長を経て2017年から東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長に就任.国際大電力システム会議(CIGRE)本部理事・執行委員,国際電気標準会議市場戦略評議会(IEC/MSB)委員,日本科学技術振興財団理事,システムイノベーションセンター理事も務める。

講義一覧


営農型太陽光発電…これからの電力と農業のあり方を考える

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(9)農業と太陽光発電

カーボンニュートラルな発電法としてなじみ深いのが太陽光発電だが、山林や田畑を切り崩して太陽光パネルを設置することへの批判もある。しかし、農地の屋根として太陽光パネルを活用することで、環境にも農業にも有益な運用が可能になるようだ。営農型太陽光発電の実践から、これからの電力と農業のあり方を提案する。(全9話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


地熱、洋上、潮汐…地理的特性を生かした発電方法の可能性

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(8)グローバル連携と洋上、地熱

世界的な課題であるエネルギー問題を解決するため、日本国内でサステナブルな電力を無駄なく運用するというローカル的な考え方とともに、グローバルに世界連携をつくるということを考える必要がある。そこで今回の講義では、光ファイバーを利用したバーチャルなグローバル連携について、さらに海の活用や地熱の活用など、日本の地理的特性を踏まえた発電方法の可能性とともに解説する。(全9話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


地域間の不均衡解消、電力移動を可能にする「3つの階層」

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(7)電力供給の「3つの階層」

カーボンニュートラルな再生可能エネルギーを生み出す技術は、すでに確立されつつある。問題は、それをいかにして社会に実装し、使用率を高めるかである。分散型の電力供給が前提となる中で、地域間や消費者間の電力移動を可能にするための「3つの階層」の構築を構想する。(全9話中第7話) ※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


EVが電気を運ぶ…モビリティの変化と非常時のレジリエンス

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(6)モビリティとエネルギーの融合

現在、電気自動車(EV)の開発、普及が急速に進んでいる。それはつまり、道路上で車が電気を運んでいるということを意味する。これからのサステナブルな電力供給を考える上で、この状況は重要な意味を持っている。リアル空間のモビリティが、電力供給網やデジタルインフラといかにして連携し、「サイバーフィジカル融合」を実現し得るかを解説する。(全9話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


時空間を自由に移動!分散化で期待される電力消費の冗長性

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(5)デジタルインフラと電力のこれから

人体における神経と血管の相互補完関係のような、デジタルインフラと電力供給網の密接な関係はいかに構築できるのか。既存の電力設備を活用する最もシンプルな方法や、消費者の近くに点在するデータセンターを活用した、分散型の新しい電力消費のスタイルを提案する。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


生成AIの規模拡大で急増する世界的エネルギー事情

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(4)エネルギーにおける「神経と血管」

AI技術の急速な発展と需要の拡大で、これからさらに世界的に電力消費が増えていくことが予想される。デジタルインフラを支える電力がますます必要とされる中で、カーボンニュートラルなエネルギー供給をいかにして安定的に行うかがこれからの課題となる。その実現は容易ではないが、そのヒントが人体における神経と血管の相互補完的な関係性にあった。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


日本は再エネが難しい!?再エネ比率が高い国との相違点

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(3)電力の部分最適と全体最適

サステナブルな電力の供給と消費が求められる現代社会。太陽光発電のように電力の生産拠点が多元化する中で、それぞれの電力需給と国全体の電力需給のバランス調整が喫緊の課題となっている。実はヨーロッパなどの「再エネ比率」が高い国と比べて、日本には独自の困難さがあるという。その大きな原因は、島国であるがゆえに、隣国などとの電力の融通が困難であることにあるというのだが……。なぜ、日本では電力需給の調整に、より繊細さが必要とされるのか。来るべきカーボンニュートラル社会における、日本の電力需給のあるべき姿について考える。(全9話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


カーボンニュートラル社会に必要な「発想の逆転」とは

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(2)電力の需給バランス

これからの社会では、電力化の進展によるモビリティやロボットの「カンブリア爆発」によって、電力の消費量も増えていくことも予想される。そのような社会を支える電力をいかにサステナブルに供給するかが重要な課題となるが、現在の日本ではどのように電力供給がなされているのか。足りなくても余ってもいけないという電力供給の難しさから、カーボンニュートラル社会に必要な発想の転換を解説する。(全9話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


ロボットの「カンブリア爆発」時代へ電動化がもたらすもの

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」

「カーボンニュートラル」に代表されるように、持続可能なエネルギー活用を目指す動きは世界的に加速している。特に東日本大震災以降、日本でもエネルギー問題は課題となっている。では日本は、どのようなエネルギー戦略を構築していくべきなのだろうか。まず今回は、エネルギーと産業革命の関係を歴史的にひも解きながら、電動化によって、まったく新たな姿のモビリティやロボットなどが、あたかも「カンブリア爆発」のように次々と現れてくる未来の姿について解説する。(全9話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)