ナノマシン技術の進化に必要な「核酸医薬とDDS技術」の進歩
ナノテクノロジーでがんに挑む(8)核酸医薬とDDS技術の進歩の共進
世界的に研究が盛んなナノ医療の分野だが、国際競争における日本の立場はどうなっているのか。また、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の発展にはどのような背景があるのか。核酸医薬とDDS技術の進歩の共進による、医療のさらなる発展が期待されている。(全8話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ナノ医療イノベーションセンター センター長/東京大学名誉教授
ナノテクノロジーでがんに挑む(8)核酸医薬とDDS技術の進歩の共進
世界的に研究が盛んなナノ医療の分野だが、国際競争における日本の立場はどうなっているのか。また、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の発展にはどのような背景があるのか。核酸医薬とDDS技術の進歩の共進による、医療のさらなる発展が期待されている。(全8話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ナノテクノロジーでがんに挑む(7)ナノマシンの実用化に向けて
がん治療での実用が大いに期待されているナノマシン。重要なポイントは「細胞レベルのデリバリー」や「スマート機能」など、3つほど挙げられるが、一方で気になるのは人体へのリスク、つまり安全性についてだ。そのあたりはどうなっているのか。実用化までどの程度の時間がかかるのかなどとともに伺った。(全8話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ナノテクノロジーでがんに挑む(6)ユニットPICとmRNAによるがん治療
がん治療におけるユニットPICとメッセンジャーRNA(mRNA)の具体的な活用事例を紹介する。ドラッグデリバリーシステム(DDS)の観点から、がん治療に新たな可能性を与える2つの画期的な事例は、ナノマシンがもたらすことになる医療革命に説得力を与えてくれる。(全8話中第6話)
ナノテクノロジーでがんに挑む(5)脳腫瘍治療のためのDDS活用<後編>
脳腫瘍治療のためドラッグデリバリーシステム(DDS)を用いた3つ目のアプローチはサイズチューニング、言い換えると「キャリアシステムの正確なナノサイズ制御」である。抗体サイズの「ユニットPIC」の開発によって、核酸医薬が抱える課題を解決できるという。マウスでの実験で効果を得ており、現在はヒトの臨床試験へと進んでいる。(全8話中第5話)
ナノテクノロジーでがんに挑む(4)脳腫瘍治療のためのDDS活用<前編>
脳腫瘍に対するドラッグデリバリーシステム(DDS)を用いた具体的な3つのアプローチのうち、2つを解説する。1:免疫チェックポイント阻害剤との併用、2:血管内皮細胞の通過を促進するリガンド分子の装着である。どちらも、脳腫瘍の治療に高い効果を発揮することが分かっている。(全8話中第4話)
ナノテクノロジーでがんに挑む(3)ナノマシンを使ったがん治療
ナノマシンを使ったドラッグデリバリーシステム(DDS)によるがん治療は現在、有効性と安全性を調べる第2相まで臨床試験が進んでいる。この仕組みを使えば、がん細胞に直接薬を届けることが可能になる。そこで、特に研究開発が進められているのは、がんの中でも世界的に治療が大変困難とされている脳腫瘍への活用である。(全8話中第3話)
ナノテクノロジーでがんに挑む(2)ナノマシンとは何か
体内病院の実現に向けて注目されるナノマシン。ウイルスほどの非常に小さいサイズであるそれは、どのような仕組みと働きを持っているのか。また、体内に入れたとき、どんなことが重要になるのか。生体内外の「信号」を適切に検知し、それに応じた動きをする「スマートナノマシン」について解説する。(全8話中第2話)
ナノテクノロジーでがんに挑む(1)「iCONM」がめざす医療
「iCONM(アイコン)」と呼ばれるナノ医療イノベーションセンターが2015年、川崎に誕生したが、羽田空港へのアクセスの良さなどから世界に開かれた研究施設として注目されている。ではiCONMがめざす医療とはどのようなものなのか。(全8話中第1話)
※冒頭インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「研究開発型ベンチャー」成功の条件(3)育てる意識の重要性
欧米のようにベンチャー企業やスタートアップが活躍するにはどうすれば良いのか。それには、企業や個人単位の利益を考えるのではなく、社会全体の成長を見据えた意識を持つことが必要である。アメリカ社会の特徴から起業を取り巻く社会のあるべき姿を考える。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「研究開発型ベンチャー」成功の条件(2)動機とスピード
日本でもベンチャー企業の数や投資額は急速に増えている。しかし、欧米と比較すると、その市場規模はまだまだ小さい。アメリカのシリコンバレーやボストンのような、有名スタートアップ地区を生み出すにはどうしたらいいのか。また、これから新しくビジネスを立ち上げる際に注意すべき点や必要な視点とは何か。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「研究開発型ベンチャー」成功の条件(1)なぜベンチャーか?
ベンチャー企業の活躍が目覚ましい。世界的猛威をふるう新型コロナウイルスのワクチンの中にはベンチャー企業によって開発されたものもある。ナノテクノロジーという最先端科学技術による創薬、その実用化のプロセスの中で、ベンチャー企業がどのような役割を担っているのか。大企業との比較におけるベンチャー企業の特徴や、多様な形態について解説する。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ナノテクノロジーで創る体内病院(1)ナノマシンの作り方
ハリウッド映画『ミクロの決死圏』のように、体内に病院を創る。東京大学政策ビジョン研究センター特任教授でナノ医療イノベーションセンター長の片岡一則氏は、自動的に診断や投薬、手術までも行えるナノマシンの研究開発に取り組んでいる。ナノマシンは、様々な構造体にすることができ、さらに体内のpH変化に反応して、投薬などさまざまな行動を取ることができる優れものだ。(全5話中第1話)
ナノテクノロジーで創る体内病院(2)難治性のがん治療
東京大学政策ビジョン研究センター特任教授でナノ医療イノベーションセンター長の片岡一則氏が最も力を入れているのは、難治性のがん治療だ。ナノマシンは、従来ならば薬剤が効きにくい薬剤耐性がんにも有効に作用する。それはいわば、ナノスケールの「トロイの木馬」であり、効果を検証する実験でも、ナノマシンでがんの増殖が抑制できることが確認されている。(全5話中第2話)
ナノテクノロジーで創る体内病院(3)副作用なきがん治療
ナノマシンを用いたがん治療は、膵臓がんや脳腫瘍のような薬が届きにくいがんにも有効だ。また抗がん剤で問題となる副作用も、ナノマシンによる投薬ならば解決可能だ。研究を進める東京大学政策ビジョン研究センター特任教授でナノ医療イノベーションセンター長の片岡一則氏によれば、数年以内には様々な抗がん剤を乗せたナノマシンが承認され、使用可能になるという。(全5話中第3話)
ナノテクノロジーで創る体内病院(4)ナノ医療の未来
ナノマシンを使った最先端治療が研究されているのは、がんだけではない。東京大学政策ビジョン研究センター特任教授でナノ医療イノベーションセンター長の片岡一則氏によれば、ナノ治療が最終的に目指すのは、まさにバラ色の未来だ。再生医療で関節の痛みはなくなり、長期入院も不要になる。アルツハイマー病さえ過去の病にしてしまう可能性を、ナノマシンは持っている。(全5話中第4話)
ナノテクノロジーで創る体内病院(5) 病院の要らない社会
3,000年前に松葉杖を発明した人類は、今世紀、ナノマシンによって体内に病院を創ろうとしている。東京大学政策ビジョン研究センター特任教授でナノ医療イノベーションセンター長の片岡一則氏が強調するのは、研究とビジネスの融合だ。同氏は、ベンチャー企業から医療を日本の基幹産業にしていくという。ナイチンゲールが予測した「病院の要らない社会」は、目の前に現れようとしている。(全5話中第5話)