このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れたお金の循環を考える。(全6話中第6話)
元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れたお金の循環を考える。(全6話中第6話)
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(5)円安と実質所得低迷の構造的要因
日本国内でのお金の回りが芳しくない一方、海外への資金流出が強まっている。そこに日本経済の構造的課題と円安の要因が見え隠れする。今回はそれらを掘り下げるとともに、過去の緊縮財政が引き起こした悲劇も振り返りながらインフレや所得格差への影響について解説する。(全6話中第5話)
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(4)資産循環の日米比較
日本の経済成長が停滞する一因として、お金の「死蔵」が挙げられる。その背景にある資金偏在の問題とは何か。財政支出の影響や日米のマネー活用の違いを検証し、日本の資産循環モデルの課題と改善策を考える。(全6話中第4話)
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(3)お金がつくる景気の波…民間VS政府
お金の量が短期間に大量に変化すると、景気に大きく影響を与えるケースがある。米国のリーマンショックやコロナショック、さらに日本のバブル崩壊やアベノミクスなどを検討しつつ、お金の生まれ方と量の変化、そして景気の関係について考えていく。とりわけ、銀行貸し出しによってマネー量が短期間に変動した場合と、財政主導によるマネー創出の比較から見えてくるものとは。(全6話中第3話)
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(2)お金の総量と国債…残念なブタ積み
社会に流通するお金の総量を司っているのは日本銀行券を発行する日銀だと、一般には思われているかもしれない。しかし、日銀がお金を生み出すその量はあくまで受動的に決定されており、その増減の鍵を握るのは人々の需要と民間銀行の国債購入にある。一方で民間マネーを生み出さない「ブタ積み」も時に発生してしまう。実務的なことを理解できると、その実際の仕組みが明快に見えてくる。お金が生み出されるメカニズムに迫る。(全6話中第2話)
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
日本経済が低迷する原因は何か。大きなポイントとして「お金が回っておらず、死蔵されてしまっていること」が挙げられる。そもそも、お金が市中にどのように流通し、どのような役割を果たしていくのかを理解しなければ、経済を正しく理解することはできない。経済のしくみを理解するうえで欠かすことができないメカニズムと、日本経済に隠された課題に肉薄する講義シリーズ。第1話では、社会でお金が流通する仕組み、特に、「信用創造」「預金創造」と呼ばれる銀行がお金を生むことについて解説する。(全6話中第1話)
歴史的転換点における影の主役「インフレ」(3)「韻を踏む」歴史に学ぶ
「インフレと恐慌」と呼ばれる経済危機が繰り返し訪れる、第1次世界大戦以降の日本経済、財政政策の顛末には、当時との共通点の多い現在の日本が学ぶべき教訓が大いにある。最終話の今回は、戦間期終盤から戦後の日本を振り返り、積極財政むなしくインフレに至った経緯を見ていこう。これからの日本経済の行く末を見通すうえで重要なのは「韻を踏む」歴史への視座である。(全3話中第3話)
歴史的転換点における影の主役「インフレ」(2)幕末のインフレと1900年代前半
インフレ傾向が強まる現在の日本経済だが、幕末にもインフレは起こっていた。黒船来航に震災、疫病など複合的な要因で発生したインフレの影響により明治維新へと突き進んでいくことになるのだが、実は現在の日本とよく似た状況にあったのは幕末期だけではない。1900年代前半、特に第1次世界大戦が始まった1914年から第二次世界大戦前までの日本もまた、安全保障上の緊張やパンデミックに直面しており、現在の情勢と重ね合わせることができる。戦争特需や世界恐慌などに翻弄され、浮き沈みした当時の日本経済を振り返る。(全3話中第2話)
歴史的転換点における影の主役「インフレ」(1)現代と幕末の共通点
紛争やパンデミックなど、さまざまな事象に直面する世界の中で、日本経済も揺れ動いている。不確実な社会情勢の影響を受ける金融市場を見極めるためには、歴史を顧みることが有効である。過去を振り返ると、「紛争」「震災」「疫病」、そして「インフレ」との関係性が、幕末という時代と重なっていることが見えてきた。当時行われた貨幣の改鋳、また金銀交換比率問題などを取り上げながら、幕末と現代の共通点を解説していく。(全3話中第1話)
為替レートから考える日本の競争力・購買力(2)円安の歴史的背景と日本の課題
1995年以降、実質為替レート指数は円安に転じたのだが、それはなぜか。また、なぜ足許では購買力平価から乖離した円安水準になっているのか。今回は「50年ぶりの円安」に至った実際の円相場の動向を振り返り、その背景にあった中国の台頭や東日本大震災などの社会情勢の影響や産業構造の変化について解説しながら、これからの日本が取り得る施策を展望する。(全2話中第2話)
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
「50年ぶりの円安」などといわれることがある。だが、ドル円レートだけを見ると50年前の当時よりは円高であるように見える。このギャップは、どこから生じるのだろうか。為替相場を正しく理解するには「実質為替レート」や「購買力平価」といった用語を理解し、為替レートと物の値段の双方から分析する必要がある。今回は、それらの用語を解説しつつ、ビッグマックの価格(ビッグマック指数)なども例に取り上げ、為替についていかに理解するべきかを、分かりやすく解説していく。(全2話中第1話)
2023年前半の金融市場と日本の行方(2)米国の逆イールド現象と為替の動向
アメリカの逆イールド現象は、いかなる状況を招くのだろうか。過去の事例を参照しながら、今後の動向を読んでいく。また、1971年と同レベルの円安状況となった日本。今後もこの状況は変わらないのだろうか。ニクソンショック以来の円安となった要因はどこにあり、日本の投資家は今、何を考えるべきであろうか。(全2話中第2話)
2023年前半の金融市場と日本の行方(1)全体観と日本株の動向
2023年春の時点で、世界経済ならびに金融市場でどのようなことが起こっているかについて解説する。実は現在、米国2年国債と10年国債の利回りの逆転現象が起きている(逆イールド現象)。これは通常、大きな景気後退前に現れる現象だというが……。そのようななか、足許では日本の株価上昇が目立ったが、これはどのような要因によるのか。さらに、日本銀行の金融政策はどうなるのか。そして、欧米の金融機関の破綻をどう見るべきか。わかりやすく分析していく。(全2話中第1話)
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
資産運用は身近なテーマだが、実際の運用において何を判断材料にすればいいのかを知る機会は少ない。養田功一郎氏は、その時の短期的な社会情勢や経済状況を見ていればいいというわけではないと語る。短期、中期、長期の3つの視点で考え、歴史的視点から洞察することが重要なのである。今回は、30年余りに渡って運用に携わり金融市場を見続けてきた養田氏から、市場の動向を的確に見通すための思考法について学ぶ。