養田功一郎

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 執行役員

プロフィール

1967年生まれ(群馬県出身)
1991年 3月 早稲田大学 政治経済学部政治学科 卒業
1991年 4月 株式会社住友銀行(現・株式会社三井住友銀行)入行
1994年 1月 同 市場資金部
2005年10月 同 市場資金部短期ALMグループ長
2009年 4月 同 企業調査部上席推進役 ストラテジストチーム担当 
2012年 4月 同 市場営業部副部長兼戦略トレーディンググループ長
2017年 4月 同 市場営業統括部クレジット投資室長
2019年 4月 同 市場営業部長
2021年 4月 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 
      運用企画部 プリンシパル
2022年 4月 同 運用企画部長
2023年 4月 同 執行役員 運用部(債券、開発)、トレーディング部(債券)担当

1994年から金融市場関連の業務に従事。資金調達から始まり、株、為替、債券、クレジット、コモディティなど様々なプロダクトの運用、トレーディングを経験。
マーケットを通して日本の政治・経済・ビジネス・歴史・文化を考えてきた。

講義一覧


歴史は「韻を踏む」…これからの日本経済のための視座

歴史的転換点における影の主役「インフレ」(3)「韻を踏む」歴史に学ぶ

「インフレと恐慌」と呼ばれる経済危機が繰り返し訪れる、第1次世界大戦以降の日本経済、財政政策の顛末には、当時との共通点の多い現在の日本が学ぶべき教訓が大いにある。最終話の今回は、戦間期終盤から戦後の日本を振り返り、積極財政むなしくインフレに至った経緯を見ていこう。これからの日本経済の行く末を見通すうえで重要なのは「韻を踏む」歴史への視座である。(全3話中第3話)


1900年代日本経済の不安定化を招いたインフレと不人気政策

歴史的転換点における影の主役「インフレ」(2)幕末のインフレと1900年代前半

インフレ傾向が強まる現在の日本経済だが、幕末にもインフレは起こっていた。黒船来航に震災、疫病など複合的な要因で発生したインフレの影響により明治維新へと突き進んでいくことになるのだが、実は現在の日本とよく似た状況にあったのは幕末期だけではない。1900年代前半、特に第1次世界大戦が始まった1914年から第二次世界大戦前までの日本もまた、安全保障上の緊張やパンデミックに直面しており、現在の情勢と重ね合わせることができる。戦争特需や世界恐慌などに翻弄され、浮き沈みした当時の日本経済を振り返る。(全3話中第2話)


紛争・震災・疫病・インフレ…幕末と重なる現代日本の姿

歴史的転換点における影の主役「インフレ」(1)現代と幕末の共通点

紛争やパンデミックなど、さまざまな事象に直面する世界の中で、日本経済も揺れ動いている。不確実な社会情勢の影響を受ける金融市場を見極めるためには、歴史を顧みることが有効である。過去を振り返ると、「紛争」「震災」「疫病」、そして「インフレ」との関係性が、幕末という時代と重なっていることが見えてきた。当時行われた貨幣の改鋳、また金銀交換比率問題などを取り上げながら、幕末と現代の共通点を解説していく。(全3話中第1話)


「50年ぶりの円安」に至る円相場の動向とその歴史的背景

為替レートから考える日本の競争力・購買力(2)円安の歴史的背景と日本の課題

1995年以降、実質為替レート指数は円安に転じたのだが、それはなぜか。また、なぜ足許では購買力平価から乖離した円安水準になっているのか。今回は「50年ぶりの円安」に至った実際の円相場の動向を振り返り、その背景にあった中国の台頭や東日本大震災などの社会情勢の影響や産業構造の変化について解説しながら、これからの日本が取り得る施策を展望する。(全2話中第2話)


ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価

為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値

「50年ぶりの円安」などといわれることがある。だが、ドル円レートだけを見ると50年前の当時よりは円高であるように見える。このギャップは、どこから生じるのだろうか。為替相場を正しく理解するには「実質為替レート」や「購買力平価」といった用語を理解し、為替レートと物の値段の双方から分析する必要がある。今回は、それらの用語を解説しつつ、ビッグマックの価格(ビッグマック指数)なども例に取り上げ、為替についていかに理解するべきかを、分かりやすく解説していく。(全2話中第1話)


逆イールド現象は景気後退の前触れ?歴史的円安の行方は?

2023年前半の金融市場と日本の行方(2)米国の逆イールド現象と為替の動向

アメリカの逆イールド現象は、いかなる状況を招くのだろうか。過去の事例を参照しながら、今後の動向を読んでいく。また、1971年と同レベルの円安状況となった日本。今後もこの状況は変わらないのだろうか。ニクソンショック以来の円安となった要因はどこにあり、日本の投資家は今、何を考えるべきであろうか。(全2話中第2話)


日銀の金融政策はどうなるか?日本株の動きをどう読むか?

2023年前半の金融市場と日本の行方(1)全体観と日本株の動向

2023年春の時点で、世界経済ならびに金融市場でどのようなことが起こっているかについて解説する。実は現在、米国2年国債と10年国債の利回りの逆転現象が起きている(逆イールド現象)。これは通常、大きな景気後退前に現れる現象だというが……。そのようななか、足許では日本の株価上昇が目立ったが、これはどのような要因によるのか。さらに、日本銀行の金融政策はどうなるのか。そして、欧米の金融機関の破綻をどう見るべきか。わかりやすく分析していく。(全2話中第1話)


市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察

資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか

資産運用は身近なテーマだが、実際の運用において何を判断材料にすればいいのかを知る機会は少ない。養田功一郎氏は、その時の短期的な社会情勢や経済状況を見ていればいいというわけではないと語る。短期、中期、長期の3つの視点で考え、歴史的視点から洞察することが重要なのである。今回は、30年余りに渡って運用に携わり金融市場を見続けてきた養田氏から、市場の動向を的確に見通すための思考法について学ぶ。