高島修

シティグループ証券 チーフFXストラテジスト

プロフィール

<略歴>
1992年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社。
1999年から為替資金部で欧州担当、米国担当アナリスト、通貨オプションセールスを歴任。
2004年チーフアナリスト。
2010年3月にシティバンク銀行へ移籍
2013年5月末からシティグループ証券に所属が移る。
円のスペシャリトとして海外投資家の評価も高い、日本を代表する為替ストラテジスト。

講義一覧


「プラザ2」はあるのか…プラザ合意との違いと問題点

円安の構造的メカニズム(4)日米の通貨・金融政策と「プラザ2」

2022年の記録的円安をもたらした背景として、アベノミクスの存在を忘れてはならない。デフレ克服を目指したアベノミクスは、かつてインフレ撲滅を目指したレーガノミクスと方向性こそ真逆だが、いくつかの類似点を見いだすことができる。それはどのような点か。一方、世界全体で見ると、起こっているのは構造的ドル高である。そこで最近使われるようになったのは「プラザ2」という言葉だが、その見方がいかに問題あるか、1985年のプラザ合意と比較しながら指摘する。(全4話中第4話)


悪い円安論に物申す、ヒステリシスの効果でデフレ脱却か

円安の構造的メカニズム(3)「高いニッポン」から「安いニッポン」へ

2022年の円安加速によって「安いニッポン」「悪い円安論」が台頭してきたが、必ずしも悲観すべき状況とは限らない。「高いニッポン」だった時期から現在の円安に至るまでの経緯を振り返ることで、ポジティブな可能性が見えてくる。キーワードは「ヒステリシスの効果」だ。(全4話中第3話)


「国際収支発展段階説」とは何か。カギを握るのは中国

円安の構造的メカニズム(2)国際収支発展段階説とこれからの日本

現在起こっている円安には、国内外の状況が混じり合った構造的な要因がある。そのことを深く理解するためには「国際収支発展段階説」を参照するのが有効だ。この説と照らし合わせたとき、日本は今どの段階にあり、どのように変化していくのか。諸外国の人口動態をふまえて解説する。(全4話中第2話)


円安の原因は?金利差だけではない日本の構造要因

円安の構造的メカニズム(1)円高構造から円安構造への転換

記録的な円安が起こっている現在の日本。その要因はいったいどこにあるのか。それを理解するには、日本国内の問題に目を向けるだけでなく、諸外国の台頭を含めたグローバルな視点が不可欠である。多角的に分析することで見えてくる、円安の構造要因を解説していく。(全4話中第1話)


真意はどこに? サウジアラビアの石油戦略の変化も要因

原油安と為替相場への影響(1)原油安の理由

2014年の後半から、世界的な原油安が注目されてきている。この価格下落はなぜ起きているのか。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、現場の視点から三つの理由を解説する。(全4話中第1話目)


米国金融市場にも悪影響―投資しにくくなっている原因

原油安と為替相場への影響(2)原油安の影響

原油安は、長期的には世界経済にプラスだが、中短期的には必ずしもそうは言えないとシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。それはなぜか。原油安は世界経済にどのような問題をもたらしているのか。(全4話中第2話目)


円に限った話ではない! 交易条件と連動する世界通貨の動き

原油安と為替相場への影響(3)円相場への影響

通常、原油安は、長期的には円高、中短期的には円安を促す。だが、今回はその原則が当てはまらない。原油安により円高リスクが浮上する現在の状況をシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が解説する。(全4話中第3話目)


キーワードは「ロシア危機」と「LTCM危機」

原油安と為替相場への影響(4)98年との類似性

1990年代後半、それまで好調だった世界経済が危機の連鎖に陥った。現在の状況は、実はこれに酷似している。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、1998年のロシア危機をキーに、今後の為替相場の動向を見通す。(全4話中第4話目)


歴史的急騰! 通貨ペッグ制度切り崩しの歴史を振り返る

スイスショックとユーロ安(1)スイスショックとは何だったのか

世界が狭くなった今、恩恵とともにリスクの波及も速くなった。「最も弱い環」は、しばしば犠牲にされるが、逆にそこから問題点が噴出することも多く、特にグローバル金融システムに関わる人々は、海の向こうの動静を分刻みで注視する。今回は国際為替相場のスペシャリストであるシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏に、直接性が低いため日本人には見逃されがちな「スイスショック」の奥深い真実と、その余波について、お話を伺った。(全4話中第1話目)


異常事態だった! 高まる不安からスイスの金保有の国民投票

スイスショックとユーロ安(2)スイス中銀が上限レートの撤廃した背景

スイスショックの本質は、中央銀行の政策効果が限界を露呈したことと、そこに至る国民の危機感の圧力にあったとシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は分析する。「中央銀行神話」が崩れるという見方から、日銀の方向性にも危惧を抱く向きが少なくない。これについても見るべきポイントを語っていただこう。(全4話中第2話目)


シビれた! スイス中央銀行ヒルデブランド総裁の声明とは?

スイスショックとユーロ安(3)スイスのユーロペッグ制度導入の背景

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、スイスがユーロペッグ制度を導入した背景を近隣諸国との関係を軸に見ていく。面積は狭いが連邦制をとるスイスが、強い軍隊とともに信頼を置いてきたのが、「金よりも堅い」といわれてきたスイスフランだった。それだけに、今回のスイスショックは欧州一帯を震撼させたのである。(全4話中第3話目)


ECBの量的緩和導入において、気になる不安材料がある

スイスショックとユーロ安(4)スイスショックが為替相場に及ぼす影響

本シリーズ最終回は、スイスショックが為替相場に及ぼす影響についてである。まだまだ不確定要素は大きいが、日本の投資家が気にすべきポイントについても、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏に伺ってみた。(全4話中第4話目)


2008年以降のユーロ下落には3つの局面がある

ユーロの十字架とギリシャ問題(1)ユーロ安の背景と今後の見通し

ユーロ安が止まらない。そして、再発するギリシャ問題。欧州とユーロに何が起こっているのか。今後どうなるのか。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が鳥の目・虫の目で語る「ユーロの十字架とギリシャ問題」シリーズ第1話。


欧州は約20年周期で深刻な通貨危機に陥る傾向がある

ユーロの十字架とギリシャ問題(2)欧州通貨危機の歴史

第一次世界大戦以降、欧州は約20年周期で通貨危機に陥るようになったという。それは欧州の凋落と、新たな覇権国家の誕生と繁栄を象徴しているのではないか。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が語る「ユーロの十字架とギリシャ問題」シリーズ第2話。


ユーロ不足の根底には競争力問題がある

ユーロの十字架とギリシャ問題(3)欧州ソブリン危機が引き起こされたユーロの構造問題

ギリシャ危機は、単にギリシャだけが原因で起きたわけではない。そこには「ユーロの構造」の問題があった。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が語る「ユーロの十字架とギリシャ問題」シリーズ第3話。


ユーロの値崩れも市場は楽観視―理由は3つある

ユーロの十字架とギリシャ問題(4)ギリシャ問題の経緯と今後の見通し

ギリシャ問題によって、再び足元でユーロが値崩れしているという。これが新たな危機につながることはないのか。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏がギリシャ問題の経緯と今後の見通しを語る。「ユーロの十字架とギリシャ問題」シリーズ第4話。


経済問題を通貨政策により克服―レーガノミクスとの類似性

円安をどう捉えるか―購買力平価で見るアベノミクス

加速する円安は日本にとってプラスなのか、マイナスなのか。円安の構造と解釈を、購買力平価、実効相場、実質実効円相場の論理的理解という三つの観点から考える。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏による解説。(シリーズ講話第1話目)


実質実効相場で見れば過去20年間、円の実力は下落基調

円安をどう捉えるか―円の実効相場の推移を見る

「日本円のピークは実は1995年。それ以降、円の力は下がっている」。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏の指摘は衝撃的だ。これは、この20年間、一度も「円」は回復していないことを意味する。では2012年の「1ドル75円」は何だったのか? そこには名目実効為替相場と実質実効為替相場のからくりがあった。高島氏による円安の解剖。(シリーズ講話第2話目)


過去の実質実効為替相場との比較だけでは幼稚な分析だ!

円安をどう捉えるか―円安は行き過ぎているのか?

最近、「これ以上の円安は害悪だ」という人が出てきているが、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は、その議論はおかしいという。なぜ、どこがおかしいのだろうか。円安は果たして本当に害悪なのか。高島氏が「円安の見方」を解説する。(シリーズ講話第3話目)


保守的な機関投資家とリスクテイクに積極的な個人投資家

年金改革~GPIFの運用方針変更(1)日本の投資家

日本では、個人投資家が比較的リスクを取ることに熱心という特徴があるという。それは一体なぜなのか。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が語るシリーズ・年金改革、第1回。


インフレを前提として強い成長志向のポートフォリオに変更

年金改革~GPIFの運用方針変更(2)GPIFの資産運用

GPIFの資産運用方針は、アベノミクスによって大きく変化した。それはなぜか。一体どのように変わったのか。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が語るシリーズ・年金改革、第2回。


シェア大幅引き上げの外国株式は米国と新興国の比率大

年金改革~GPIFの運用方針変更(3)GPIF運用変更が市場に与える影響

GPIFの運用変更、国内外株式の大幅引き上げは、市場にどう影響するのか。2014年10月の発表以降の動きと現状を分析し、今後の動向を見通す。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が語るシリーズ・年金改革、第3回。


インドルピーの下落理由を考える…2013年の教訓とは

続落するインドルピー~インドの経済政策は?

続落するインドルピー安。一体どう見ればいいのか? 今後どうなるのか? 手掛かりは2013年春からのインドルピー下落とそこからの復活劇にある。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が過去の類似ケースの分析に基づき、為替マーケットの行方を見通す。(全3話中第1話目)


製造業を成長させ中間層形成へ―モディノミクス

期待されるモディ政権、メイクインインディア政策とは

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は、インドのモディ政権の「メイク・イン・インディア政策」は的を射ており、推進する上で、国内外ともにいい環境になっているという。それはなぜか。(全3話中第2話目)


2010年代後半には中国の成長率を抜く!

世界で重要性が増すインドの経済成長

2010年代後半には、インドの経済成長率が中国を抜いて世界第1位になるだろう、とシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。それは世界にどのような影響を及ぼすのか。(全3話中第3話目)


トランプ政権の通商政策が日本に及ぼす影響

2019米中貿易協議(3)トランプ流保護主義と日本への影響

トランプ政権が現在中国に対して行っている矢継ぎ早の関税政策の実効性が低い場合は基本的にドル安に、高い場合はドル高に作用するといえる。しかし、その関税政策は今までの経験則では読めないため、日本にとっても注視していく必要がある。シリーズ最終話では、トランプ流通商政策が日本に及ぼす影響について考える。(全3話中第3話)


背景には米国やIMFで高まるドル高や円安への警戒感

実質実効円相場から為替を読む(1)黒田発言の意図

「実質実効円相場がかなり円安になっていて、これ以上の実質円安はありそうにない」、2015年6月10日、日銀の黒田東彦総裁はこう発言した。この発言を受け、為替マーケットが動いたこともあり、今シリーズは実質実効相場に焦点を当てて、3部構成で話を進めていく。第1回目は、黒田総裁の発言について、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏がその真意と背景に迫る。(全3話中第1話目)


米財務省やIMFのスタンスの変更は経常収支の改善が要因

実質実効円相場から為替を読む(2)IMFの見方

ここ3年での急速な円安によって、実質実効円相場は今、変動相場制移行後、最安値に迫っている。しかし、このことをIMFやアメリカは問題視していないとシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は言う。では、IMFはどう考えているのか。実質実効円相場に関するIMFの見方について高島氏が解説する。(全3話中第2話目)


円割安化の判断には「均衡為替レート」を見る必要あり

実質実効円相場から為替を読む(3)均衡為替レート

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、均衡為替レートと実質実効円相場の関係について解説。ここ数年、日本市場は円安傾向にあるが、果たしてデフレマインドを払拭するほど、景気は回復していると見てよいのか。(全3話中第3話目)


悲願のSDR加入も元国際化面からの切り下げ要因

中国人民元切り下げの背景

2015年8月11日、なぜ中国人民元は突如切り下げられたのか。そこには、景気対策以外にもいくつかの理由があったと、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。その理由とは何か。(全3話中第1話目)


向こう1年は緩やかな元安が起こる

中国人民元切り下げによる今後の見通し

元の切り下げによって、今後、元はさらに緩やかに下がっていくというのが、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏の予測だ。では、緩やかな元安は一体何をもたらすのか。(全3話中第2話目)


原因と結果を取り違えるな―2005年の元切り上げに学ぶ

中国人民元切り下げによる他国への影響

2015年8月に中国が行った「人民元切り下げ」は、円相場・為替相場にどう影響するのか。2005年の「元の切り上げ」を教訓に、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は「原因と結果を間違えてはいけない」と警告する。この元の切り下げでドル高円安はどう動くのか?(全3話中最終話)


対米ドル・対円ともに最安値圏に下落したブラジルレアル

ブラジルレアル安の行方(1)レアル売り・五つの理由

2011年以来、ブラジルレアルが長らく下落を続けている。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は、そこに「五つの理由」があるという。いったいどのような理由なのか。高島氏が語るシリーズ「ブラジルレアル安の行方」全3話中第1話目。


内需抑制策の放棄から世界で最も下がりやすい通貨に

ブラジルレアル安の行方(2)2011年政策転換の影響

2011年から続くブラジルレアル安の根本的な原因は、「内需抑制策」を放棄したことにあると、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。それはいったいなぜなのか。高島氏が語るシリーズ「ブラジルレアル安の行方」全3話中第2話目。


新興国通貨の底入れは資源相場の底入れなくしてあり得ない

ブラジルレアル安の行方(3)底入れのシナリオ

では、ブラジルレアルはどうしたら底入れしていくのか。国の政策、政治環境、そして国際経済の3つの要点を挙げ、最も重油な鍵となるのは、国際経済の動向だとシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は指摘する。「中国経済が悪くなると、ブラジルレアルが下がる」のはなぜか。新興国相場のメカニズムを明らかにし、レアル上昇へのシナリオを語る。高島修氏が語るシリーズ「ブラジルレアル安の行方」最終回。(全3話中第3話目)


マイナス金利のきっかけは2015年6月の黒田ライン!?

日銀がマイナス金利政策を導入(1)導入の背景

「日銀がマイナス金利政策の導入を決定したのは、やはり円高、株安の影響が大きい」と、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。株のプロフェッショナルが、マイナス金利政策導入の背景を明らかにする。(全3話中第1話目)


マイナス金利を適用する対象は一部に限られている

日銀がマイナス金利政策を導入(2)決定事項

「マイナス金利政策導入といっても、全ての流動性に適用されるわけではありません」と、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。では、いったいどの部分に適用されるのか。高島氏がマイナス金利政策の内容を詳解する。(全3話中第2話目)


マイナス金利政策は米日政策金利差に影響する

日銀がマイナス金利政策を導入(3)今後の為替見通し

「長期的には、マイナス金利政策は一般的に考えられているよりも円安効果をもたらす可能性がある」と語るのは、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏だ。では一方で、短期的にはどの程度の効果があるのか。高島氏がマイナス金利政策における為替相場への影響と効果を推計する。(全3話中最終話)


レアル反発の国内要因は政治環境の変化にあらず?!

ブラジルレアルの反発(1)国内要因

2011年より長期的な下落を続けていたブラジルレアルは、この3月より反発に転じた。その国内要因としては、ブラジルの政治の大混乱による「政治環境の変化」と市場では言われている。しかし、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は、「この見方は非常にレベルが低い」と否定した。一体、この反発の要因は何なのか。高島氏が分析する。(全3話中第1話)


2015年秋以降、資源相場からの脱皮が進む新興国通貨

ブラジルレアルの反発(2)グローバル要因

2015年10月以降、資源離れの動きがより顕著になってきた新興国通貨。中でもブラジルレアルは、悪材料が多発しているにもかかわらず健闘している。では、このような変化が昨年秋に発生した要因は何か。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、ブラジルレアル反発のグローバルな要因について語る。(全3話中第2話)


ブラジルかメキシコかは、中国か米国かの資源版・代理取引

ブラジルレアルの反発(3)メキシコペソとの対比

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は、新興国に進出する企業に対し、よく「あなたが投資する国がインドネシアであれ、トルコであれ、南アであれ、メキシコペソを必ず見ておいてください」と伝えるという。高島氏がブラジルレアルの反発要因を新興国通貨の雄・メキシコペソとの比較で鋭く分析する。(全3話中最終話)


ブレグジットに至ったのはEUのアウトサイダーだから!?

ブレグジットと英ポンド相場(1)EU離脱を選択した背景

2016年6月、国民投票の翌週にイギリスを訪れたシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏。ロンドンの金融街・シティをはじめ、現地の投資家や日系企業、金融機関と、「イギリスのEU離脱問題」について会話をしたという。なぜイギリス国民はEU離脱を選択したのか。高島氏は、彼らの潜在的な問題意識として欧州におけるドイツの影響力の拡大が背景にあるのではと語る。これは、イギリスがユーロに加盟していないEUのアウトサイダー的立場にあることとも関係がある。高島氏が為替面から見た「ブレグジット」問題の影響について解説する。(全4話中第1話)


記録的ポンド安の背景にあるイギリスの経常赤字問題

ブレグジットと英ポンド相場(2)英ポンドの長期的問題

英ポンドの対米ドル相場は30年近く1ポンド1.4ドルを下値支持線として続いてきたが、今回のブレグジットによって1.4ドルを割り込む形となったという。これについて、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は、記録的なポンド安が始まった可能性を示唆し、「背景にはイギリスの根本的な経常赤字問題がある」と語る。いったいどういうことなのか。英ポンドが抱える長期的問題について、高島氏が詳細に解説を加える。(全4話中第2話)


英ポンドを見る上でのポイントは原油相場と内外金利差

ブレグジットと英ポンド相場(3)英ポンド相場の中期展望

「中期的にポンドを見る上でのポイントは原油相場と内外金利差だ」と、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。そして、英ポンドが原油資源国通貨としての側面をもつ理由を3つ挙げながら、原油と並んで英ポンドへの影響力が大きい英米金利差も見逃せないことを指摘する高島氏。英ポンド相場が中期的にどう動くかについて解説する。(全4話中第3話)


ポンドドル下落継続ならドル円100円割れ・為替介入も?

ブレグジットと英ポンド相場(4)ドル円相場への影響

ポンドドルとドル円の関係は、ドルを軸に考えると相関関係にある。この相関関係から、向こう数か月の間にポンドの対ドル相場は1.25ドル台へ下落するリスクがあり、そのときドル円は100円割れとなるリスクも強まると、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。このことについて、日本政府はどう考えているのか。円売り介入の可能性も含め、ドル円相場への影響について解説する。(全4話中最終話)


トランプ・ショックで為替相場がドル高・円安に進んだ理由

トランプ時代の米ドル相場(1)米大統領選挙と為替相場

米大統領選挙は共和党のトランプ候補の勝利となり、為替相場ではドル高・円安が進んでいる。事前予想は「クリントンでドル高、トランプでドル安」のはずだったが、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は、もっと多くのシナリオを描いていた。それはどのようなものなのか。その背景や中長期の見通し、そして「トランプ大統領」が持つ世界的・歴史的な意味とともに解説する。(全3話中第1話)


共和党トランプ政権誕生でどうなる?ドル高円安の先を予測

トランプ時代の米ドル相場(2)ドル高の不透明感

シティグループ証券 チーフFXストラテジスト・高島修氏は、「来年、あるいは再来年までドルは上昇しやすく、その後は下落しやすくなってくる」と予測する。それはなぜなのか。トランプ次期大統領の政策とどう関連してくるのか。(全3話中第2話)


トランプ現象はアンチ・グローバリゼーション

トランプ時代の米ドル相場(3)グローバリゼーション疲れ

なぜグローバリゼーションの勝ち組であるアメリカやイギリスでアンチ・グローバリゼーションが強まっているのか。それに対してクリアな答えを示しているのが、エマニュエル・トッド氏だ。そう語るシティグループ証券 チーフFXストラテジスト・高島修氏。ではトッド氏の答えはどのようなものなのか。(全3話中第3話)


トランプ政権の通商政策と為替相場に与える影響は?

トランプ政権の通商政策(1)4つの課題

「トランプ政権の通商政策は驚愕の内容だ」とシティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は語る。いったいどのような政策なのか、その政策によって為替相場はどのように変化するのか。高島氏が、その政策から考えられる未来を予見する。(全3話中第1話)


日米通商摩擦の歴史と今後のドル円相場

トランプ政権の通商政策(2)日米通商摩擦とドル円相場

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、日米通商摩擦の歴史をたどりながら、今後のドル円相場について解説する。トランプ政権は、財政政策による内需拡大と貿易赤字の縮小を両立させるため、日本にも財政刺激策を講じるよう圧力をかけるだろう。ここに思わぬ形で円安ドル高が発生するリスクがある。(全3話中第2話)


アメリカの人民元政策で円相場はどうなるのか?

トランプ政権の通商政策(3)アメリカの人民元政策

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、アメリカの人民元政策について解説する。人民元と米ドルは緊密にリンクしており、ドル高基調の中、中国政府は人民元の切り下げを行ってきた。アメリカは元高を実現させるため、日本に円高圧力をかけ、FRBにも介入する可能性がある。(全3話中第3話)


最近の為替相場の動きとドル円・ユーロドルの分析

2017年の為替相場とモデル分析(1)2015年以降のドル円相場

乱高下するドル円相場に、国内の市場予想が右往左往する中、シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏は一貫してブレない見方を打ち出している。なぜ高島氏が異端ともいわれた「トランプ・ドル高」説を予測することができたのか。そして今後の予測はどうなのか。卓抜な見方の一端を明かしていただく。(全3話中第1話)


ドル円推計値の上昇見込みとドル過大評価の懸念

2017年の為替相場とモデル分析(2)5つの変数とドル円評価

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が最近の為替相場の動きについて、モデル分析を用いて解説する。第2話はドル円のモデル分析について。高島氏はこのモデル分析に、金融政策要因と国際収支要因から成る5つの変数を導入している。的確な読みを可能にする5つの変数から、今後の市場の動きをどう見るか。(全3話中第2話)


ユーロドルの上昇もそろそろ過剰領域という読み

2017年の為替相場とモデル分析(3)ユーロドルと6つの変数

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が最近の為替相場の動きについて、モデル分析を用いて解説する。第3回目はユーロドルのモデル分析について。変数要因を用いた懇切丁寧なユーロドル分析に加え、より的確な相場の方向性をつかむための基本の考え方を示す。(全3話中第3話)


与党の勝利が株高・ドル高円安の要因になる理由

2017総選挙と円相場とアベノミクス(1)与党勝利による影響

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、2017年10月の総選挙を終えた現在、これまでのアベノミクスの総括と日銀の金融緩和の影響について、円相場との関係を軸に解説する。今回の総選挙では自公が過半数を超える議席を獲得した。この与党勝利が株高、ドル高円安の要因となっているのだが、その理由を高島氏は3点挙げる。(全3話中第1話)


地殻変動的なドル高円安と今なお強いアメリカの影響

2017総選挙と円相場とアベノミクス(2)地殻変動的円安

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、2017年10月の総選挙を終えた現在、これまでのアベノミクスの総括と日銀の金融緩和の影響について、円相場との関係を軸に解説する。現在のドル高円安の進行は、高島氏が「地殻変動的」と表現するほど例外的パターンといっていいものだ。しかしその経緯には、歴史的な日米の力関係を抜きにしては語れない、黒田日銀の采配があるのだ。(全3話中第2話)


黒田日銀の金融政策の円相場に及ぼす影響

2017総選挙と円相場とアベノミクス(3)量的緩和と円相場

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、2017年10月の総選挙を終えた現在、これまでのアベノミクスの総括と日銀の金融緩和の影響について、円相場との関係を軸に解説する。今回、高島氏は、日米の政策金利差、長期金利差、マネタリーベース倍率など5つの変数によるモデル分析に基づき、為替相場を動かすある要因について独自の見方を示した。(全3話中第3話)


世界ではドル安と外貨準備の増加が進んでいる

外貨準備の世界的状況(1)中国・サウジ・スイスの状況

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏によれば、2017年1月から対ユーロを中心に米ドル安が進んでおり、この大きな背景に世界の外貨準備によるドル売りがあるという。中でも注目は中国、サウジアラビア、スイスの状況だ。外貨準備の世界的状況が語られる。(全3話中第1話)


なぜ外貨準備が増加するとドルが売られるのか?

外貨準備の世界的状況(2)ドル売りの動向とその構造

シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏によれば、2017年1月から2018年1月の1年間において外貨準備は増加しており、それがドル売りの傾向をもたらすという。各国のリザーブマネージャーのドル売りと他通貨買い戻しがその理由である。ただし、スイスは例外的にユーロを買うため、注意が必要である。(全3話中第2話)


世界の外貨準備が減少から増加に変わった理由

外貨準備の世界的状況(3)中国の影響と米の財政赤字

ドル安という世界の為替相場の原因は何か。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が、中国の通貨防衛策がいかにドル安の状況をつくったか、両者の関係を語る。合わせて、アメリカ国内の大統領交代がドル安にどのような影響を及ぼしたかについても考察を加える。(全3話中第3話)


通貨の変貌はテクノロジーの進化に合わせて起こる

貨幣・通貨の変貌(1)数千年の歴史を振り返る

通貨の歴史は、実に数千年におよぶ。その長い歴史の中、通貨はテクノロジーの進化に合わせて変貌を遂げてきたと、高島修氏は指摘する。その歴史の中で、仮想通貨はどのような位置付けになるのだろうか。数千年間の通貨の歴史とともに論じる。(全4話中第1話)


金本位制における国際収支調節のメカニズム

貨幣・通貨の変貌(2)金本位制の誕生とそのメカニズム

通貨の長い歴史のうち、金本位制はわずか100年あまりしか続かなかった。では、そもそもなぜ金本位制は採用されたのか。そのメカニズムはなにか。今後の国際通貨制度の展望とともに語る。(全4話中第2話)


金本位制の重要性を象徴する『オズの魔法使い』

貨幣・通貨の変貌(3)金本位制の実態とアメリカの離脱

金本位制は当時、アメリカにとって重要なトピックであり、それをどうするかが大きな問題となっていた。今回は、ニューヨークの連邦準備銀行にあった金の延べ棒と、『オズの魔法使い』を例に挙げながら、金本位制の実態について解説する。(全4話中第3話)


現在は通貨の意味について問われる時代である

貨幣・通貨の変貌(4)ヤップ島の石貨と西郷札

仮想通貨の登場などによって、通貨の意味が揺らいでいる。シリーズ最終話では、2つの歴史的なエピソードの紹介を通じて、現在の通貨の形が最終形ではないことを伝えながら、通貨の意味について再考を促す。(全4話中第4話)


今の米中覇権争いとかつての英米覇権シフトとの共通点

2019米中貿易協議(1)米中覇権争いの行方

高島修氏による米中貿易戦争およびその金融、為替市場への影響に関するシリーズレクチャー。今、米中は盛んに高関税、追加関税で対抗措置を繰り返しているが、事態は貿易戦争から覇権争いへと進みつつある。高島氏はこの米中関係をかつての英米の覇権争いのケースを引用して解説する。(全3話中第1話)


マーケットの動向の鍵を握る米中通商関係の行方

2019米中貿易協議(2)追加関税発動の影響とリスク

米中貿易戦争により、現在、高関税の影響で元安が進みつつあるのだが、高島修氏はこのまま関税攻勢が続けば、米中通商関係だけでなくマーケット全体の深刻なリスクになり得ると言う。そのポイントの一つが、アメリカ財務省による中国の為替操作国認定だ。シリーズレクチャー第2話は、アメリカの中国に対するさらなる追加関税発動の影響とリスクについて解説する。(全3話中第2話)