山本勲

慶應義塾大学商学部教授

プロフィール

慶應義塾大学商学部卒業、ブラウン大学大学院博士課程修了(経済学博士)。日本銀行調査統計局、同金融研究所企画役等を経て現職。慶應義塾大学経済研究所パネルデータ設計・解析センター長。専門は労働経済学。主な著書として、『コロナ禍と家計のレジリエンス格差』(編著)慶應義塾大学出版会、『人工知能と経済』(編著)勁草書房、『労働時間の経済分析』(共著)日本経済新聞出版社、『実証分析のための計量経済学』中央経済社。

講義一覧


日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい

DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果

認知的DEIが進んでいない場合、人口統計的DEIに注目することも大事である。特に男女の多様性という観点から注目すべきは「女性活躍推進」。その効果については「差別の経済学」という分野があり、これは女性を登用することで業績や利益率がよくなるプロセスを逆説的に説明する考え方である。最終話では、その詳細についてデータを検証しながら、女性活躍推進とDEIの関係を解説する。(全4話中第4話)


健康経営×DEIの効用――経営理念が充実すると業績がよくなる

DEIの重要性と企業経営(3)健康経営でDEIを推進する

どのようにすればDEIを実現していけるのか。一つのヒントとなるのが「健康経営」である。はたして健康経営を目指している企業にとって、DEIの視点を取り入れることが企業利益につながるのか。また、従業員のウェルビーイングという面ではどうなのか。いくつかの研究事例によって、健康経営×DEIの効用を検証していく。(全4話中第3話)


なぜウェルビーイングが大事?DEIとの関係と価値の多様化

DEIの重要性と企業経営(2)人的資本経営とウェルビーイング経営

今、企業の中に「人的資本経営」が急速に浸透している。経産省の定義によると、人的資本経営とは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方のこと。類似する概念として「ウェルビーイング経営」があるが、どちらもDEIを重要視することと親和性が高い。(全4話中第2話)


トランプ政権が反DEI!?企業経営にとって重要な「DEI」とは

DEIの重要性と企業経営(1)DEIへの注目と認知的DEIの効果

数年前から多くの企業が「DEI」を看板に掲げて企業経営をしていると山本勲氏はいう。DEIとは「Diversity, Equity, and Inclusion」のことだが、第2次トランプ政権が明確にこのDEIを否定する、つまり「反DEI」の政策を打つようになっている。そのため、今後どんな影響が出てくるのか、世界的に注目が集まっているのだ。ではそもそもなぜDEIが企業経営にとって重要なのか。また、日本人の働き方にどんな変化をもたらすのか。応用経済学の立場から語っていただく。(全4話中第1話)