講義一覧
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
音が波であることは分かっても、それが三角関数で支えられていると言われてもピンとこないという方は少なくないだろう。そこで、その話を補足するのが倍音や周波数という概念であり、そのことを目で確認できるとっておきのイメージが、音の周期性を示す「くし形」の形状である。今回はピアノ、太鼓、おりん、カリンバなど、世界のいろいろな楽器の音色を用いて「音を目で見る」体験から、フーリエ級数による数学の世界との関連性を体感してみよう。(全4話中第3話)
数学と音楽の不思議な関係(2)リズムと数の不思議と変拍子
数学と音楽の親密な関係を知るのに、リズムはもってこいの要素だ。世界のどこでもリズムは数でカウントされる。その中でも、例えば「あんたがたどこさ」は目まぐるしく変わるような「変拍子」だが、日本人はだれもが簡単にリズムをとっている。また、特に5拍子や7拍子、9拍子などの変拍子を2と3の和と捉えていくと、それらを好む民族のグルーブが次第に感じ取れる。さらに、1小節をいくつもの拍子に分けていくと、なんとそれは幾何学につながってしまうのだ。(全4話中第2話)
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基づいて、科学・技術・ものづくり・工学・数学と芸術を合わせた、ワクワクする創造的な学び「STEAM教育」を展開する彼女に今、注目が集まっている。(全4話中第1話)
クラゲ館と大阪・関西万博~いのちの遊び場がめざすもの
音楽、数学、STEAM教育に取り組む中島さち子氏は、2025大阪・関西万博でも手腕を発揮している。「いのち輝く未来社会のデザイン」を謳う万博のテーマ事業プロデューサーの一人として、「いのちを高める」ことをミッションに、「いのちの遊び場クラゲ館」を企画・運営しているのだ。どんなものか、万博の特徴とともに、その魅力について紹介いただく。