野口緑

大阪大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 特任准教授

プロフィール

【主な略歴】
1986年 尼崎市入庁、総務局職員部係長、市民局国保年金課係長、ヘルスアップ戦略担当課長、市民協働局部長、企画財政局部長を歴任し、退職。
メタボリックシンドロームの概念をもとにした独自の保健指導で、毎年数人あった脳・心血管疾患の現職死亡ゼロを実現。特定健診制度のモデルの一つになった。
ヘルスアップ戦略の開始前5年に比べ、開始後5年の急性心筋梗塞標準化死亡比SMR減、国保一人当たり医療費の伸びの抑制を実現。
2013年 大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学 招聘准教授
2020年 大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学 特任准教授 (現在に至る)  

修士(都市経営学)、博士(医学)

【専門】
循環器疾患・生活習慣病予防、ヘルスプロモーション・保健指導、都市行政・健康政策、
公衆衛生学会認定公衆衛生専門家

【主な著書】
メタボリックシンドローム実践ハンドブック(メディカルトリビューン、共著、2006)
メタボリックシンドローム実践ハンドブック改訂版(メディカルトリビューン、共著、2008)
脂肪細胞のひみつとつきあい方(メディカルトリビューン、共著、2007)
予防の観点で考える認知症・サルコペニア(メディカルレビュー、編著、2017)
10歳からの学校では教えてくれないからだと健康(池田書店、監修、2022)
健康診断結果が悪かった人がやってはいけないこと(日経BP、単著、2023)

講義一覧


その後の余命が変わる!続けるべき良い生活習慣とは

健診結果から考える健康管理・新5カ条(7)良い生活習慣が健康寿命を延ばす

健康診断の結果に一喜一憂するだけではなく、そのデータを活用し、生活習慣を見直すことが大切である。今回は、内臓脂肪の管理が健康維持に直結する理由や、体重増加と糖尿病リスクの関係、さらには良い生活習慣が寿命に与える影響について解説する。健康寿命を延ばすための、日々の生活を見直すヒントを得よう。(全7話中第7話)


メタボリックシンドロームを単なる肥満と侮ってはいけない

健診結果から考える健康管理・新5カ条(6)メタボを侮ってはいけない

「メタボリックシンドローム」を単なる肥満と侮ってはいけない。内臓脂肪が蓄積すると、血糖値や血圧の上昇を招き、さまざまな健康リスクを高めることになってしまう。自覚症状のないまま血管障害が進行するリスクの上昇を防ぐためには、健康診断での腹囲の数値が重要だ。今回は、内臓脂肪がたまるとどんなリスクが生じるかについて解説する。(全7話中第6話)


運動では減らないコレステロール…食生活の見直しで対策を

健診結果から考える健康管理・新5カ条(5)コレステロールは運動では減らない

コレステロールは中性脂肪と混同されがちだが、まったく異なる性質の脂(あぶら)である。コレステロールには、消化酵素になるなど3つの使い道があるが、摂り過ぎると運動しても簡単になくならないため、血管の変化を引き起こし、健康リスクを高めてしまう。今回は、コレステロールと中性脂肪の違いからからだの中での役割、また注意すべき食生活について確認する。(全7話中第5話)


血圧を甘く見てはいけない…血圧が血管を傷つける仕組み

健診結果から考える健康管理・新5カ条(4)血圧を甘く見てはいけない

血圧は私たちの健康にどのような影響を与えているのだろうか。高血圧は日本人の中でもっとも多いリスクファクターであるため、血圧を甘く見てはいけない。高血圧以外の人と比べて死亡率が高くなっているからだ。では血圧をどう見ていけばいいのか。今回は血圧の基本的な仕組みから、脳や血管への負担、健診の重要性まで詳細に解説する。(全7話中第4話)


具合が悪くなってから病院に行こうと思ってはいけない

健診結果から考える健康管理・新5カ条(3)自覚症状ではなくデータを重視せよ

「具合が悪くなってから病院に行こうと思ってはいけない」――これは意外と重要なポイントだと野口氏は言う。健康診断の結果を軽視し、自覚症状が出てから病院に行けばいいという考えでは、手遅れになることがあるからだ。今回は、血管障害の進行と自覚症状の関係を整理しながら、データの重要性について学ぶ。(全7話中第3話)


バラバラ事件!? 検査項目をバラバラに見てはいけない

健診結果から考える健康管理・新5カ条(2)健診結果はダルマ落としでアプローチ

血管障害は突然起こるものではなく、長年のわずかな異常の積み重ねによって引き起こされる。健診結果の数値をバラバラに捉えることを避け、毎年の進行具合を段階的に理解して、その変化を根本的な要因からアプローチすることが病気予防の鍵となる。健診結果の見方として「ダルマ落とし」と名づけられた方法について解説する。(全7話中第2話)


健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと

健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代

健康診断の結果を現在の「病気の有無」だけに注目するのは、健康管理において不十分である。大事なことは、糖尿病、認知症、脳卒中、心筋梗塞など重篤な病気につながる共通点に着目していくこと。キーワードは「血管」である。いったいどういうことなのか。将来の病気を防ぐため「血管をより長く守る」に重点を置いた、新しい健康管理の考え方を学ぶ。(全7話中第1話)