日野愛郎

早稲田大学政治経済学術院教授

プロフィール

早稲田大学政治経済学術院教授。専門は選挙研究、投票行動、政党研究、選挙制度、政治コミュニケーション。主な著書に『2009年、なぜ政権交代だったのか』(共著、勁草書房、2009年)New Challenger Parties in Western Europe (Routledge, 2012)、Value Politics in Japan and Europe (co-edited, Routledge, 2022)など。2024年度より早稲田大学政治経済学部において松下政経塾提携講座「政治の世界」のコーディネーターを務める。

【略歴】
1998年 早稲田大学政治経済学部卒業
2000年 早稲田大学大学院政治学研究科修士課程卒業
2004年 ベルギー王国・フランデレン政府給費留学(カトリックルーヴェン大学社会政治世論調査研究所)
2006年 英国エセックス大学Ph.D(Government)取得
2006年 ベルギー王国カトリック新ルーヴァン大学比較政治センター・ポスドクフェロー
2007年 首都大学東京(東京都立大学)社会科学研究科、ならびに、都市教養学部法学系政治学コース准教授
2010年 早稲田大学政治経済学術院准教授
2014年 早稲田大学政治経済学術院教授
2016年 ミラノ大学にて在外研究
2017年 ブリュッセル自由大学、ハーバード大学、モントリオール大学にて在外研究

講義一覧


与党も野党もシンクタンク機能は必須…どうすればいい?

「議会と民主主義」課題と処方箋(3)政党の政策能力とシンクタンク機能

これからの日本の政治において、政党の政策立案力を高めることは必須であり、特に野党がその任を負う立場にある。政策能力を向上させるために重要なのは、各政党がシンクタンク機能を持つことと、政党助成金の有効活用である。マニフェスト選挙の課題を乗り越え、政策本位の選挙を実現するためには、比例代表制を活用した政策論争の場を充実していくことも大切である。今回はシンクタンクのあり方など、具体的な取り組みを考える。(全8話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


二大政党化のはずだが…選挙区制の目的が達成できない理由

「議会と民主主義」課題と処方箋(2)小選挙区比例代表並立制の大問題

政策本位の政治や、政権交代の可能性を目指して導入された小選挙区制であるが、多様な意見の反映には課題が多い。また、二大政党や政権交代の実現にはまだまだ距離があるが、比例代表や並立制の機能も十分に活用されているとはいいがたい。現在の選挙制度では公認の獲得が難しく、政党の影響力が強いために新人の参入を阻んでいる。そこで今回は、優秀な政治家を育成しつつ、新しい視点を取り入れていくためにはどうすればよいかについて議論する。(全8話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


世襲、官僚、叩き上げ…3つの国会議員の是非を議論する

「議会と民主主義」課題と処方箋(1)日本の国会議員の3パターン

極端な主張や馬鹿げたパフォーマンスをする政党の乱立、政治の混迷など、日本のみならず世界の各地で議会制民主主義の問題点が噴出している。さらに、政治家になる人材について、「劣化」が指摘されることさえある。ついつい絶望して、もっと果断で効率的な政治を求めたくもなる。しかし、よくいわれるように、「民主主義は最悪の政治形態である。ただし、これまで他に試みられたあらゆる形態を除けば」である。議会制民主主義が破壊されれば、さらに悪しき状況に陥りかねない。これから8回にわたって、新しい日本を築く政治を実現するための選挙制度の課題と処方箋について考えていく。第1話は日本の国会議員の3パターンについて議論する。(全8話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)