講義一覧
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(7)ロシア・ウクライナ戦争の終わり方
長期化するロシア・ウクライナ戦争だが、諸外国の思惑と不安が錯綜する中、ロシアの完全撤退を求めるウクライナと、それを拒むロシアという、どちらにとっても負けられない戦争が続いているという状態だ。では、この戦争が終わるための落とし所はどこにあるのか。両者の交渉は困難な状況にあるのが現状だが、周辺国や日本の対応を含め、この戦争の終わり方について考える。(全7話中第7話)
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(6)狭間の政治学で考える旧ソ連諸国
いまだ予断を許さないロシア・ウクライナ戦争。その今後を展望するためには、旧ソ連諸国がいかに生き残っていくかを考える「狭間の政治学」という視点が重要だ。タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスなどの小国は、大国といかにバランスを保ち外交していくべきなのか。親ロシア地域の台頭で脅威が迫るモルドヴァなど、旧ソ連諸国の現状と課題を解説する。(全7話中第6話)
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(5)持てる国の強みとグローバルサウス
「持てるもの」の強み――ヨーロッパの国々からの制裁をかわし、継戦能力を維持しているロシアには、エネルギーと食糧という豊富な資源がある。それらを武器に制裁への報復も仕掛けているロシアだが、中でも注目すべきは世界に影響を与えるロシア原子力産業、ロスアトムの存在である。制裁をかけられないということだが、いったいどういうことなのか。さらに、存在感を増すグローバルサウスを取り込もうとしているロシアの動きとともに、国際社会に突きつけられた問題について解説する。(全7話中第5話)
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(4)制裁の効果と抜け道の問題
ウクライナへのハイブリッド戦争を繰り広げるロシアにとって誤算だったのは、ヨーロッパの国々からの強い制裁である。しかし、ロシアはその制裁に対し、これまでの通商の姿勢を変えて厳しい状況に順応し、国力を維持させている。これは制裁の効果はあるが、ロシアにはそれが響いていないことを意味する。そこには制裁の抜け道があるからだ。どういうことなのか。具体的に並行輸入やデュアルユース品といった抜け道を駆使するロシアの動きを解説する。(全7話中第4話)
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(3)ワグネル創設の背景とロシアの思惑
3つのフェーズで考えることができるハイブリッド戦争だが、情報戦を主としたフェーズ1を経て、フェーズ2に至ると、いよいよ軍事的脅迫がなされる。その脅迫は正規軍だけでなく、民間軍事会社も動員して行われるのだが、民間軍事会社としては特にロシア・ウクライナ戦争で有名になったワグネルが挙げられる。そもそもワグネルは表舞台に出てはいけない違法な存在であったが、その活動は活発化していくことになる。なぜワグネルは創設されたのか。その背景とロシアの思惑について解説する。(全7話中第3話)
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(2)ハイブリッド戦争とは何か
ロシアのウクライナへの侵攻は、多様な手段を組み合わせた「ハイブリッド戦争」だといわれる。ではハイブリッド戦争とは何か。多様化と進化を続けるこの戦争を定義することは難しいという現実があるが、イメージとして3つのフェーズを提示する廣瀬氏。今回はその中でまず「フェーズ1」について、ロシアによる「ハイブリッド戦争」の実態を交えながら解説する。(全7話中第2話)
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
長期化の様相を呈しているロシア・ウクライナ戦争。ウクライナに対してロシアが仕掛けているのは、多角的な手段を用いた「ハイブリッド戦争」である。それはいったいどのような戦略なのか。本シリーズ講義では、まずはこの戦争の全体像を把握するため、ロシアの勢力圏構想とNATO拡大の背景、また、なぜロシアがウクライナを重要視するのかについて解説する。(全7話中第1話)