杉山晋輔

元日本国駐アメリカ合衆国特命全権大使

プロフィール

1953年 愛知県生まれ
1977年3月 早稲田大学法学部中退
1977年4月 外務省入省
1980年6月 オックスフォード大学卒業(学士)
1992年6月 オックスフォード大学卒業(修士)
1992年10月 経済局国際エネルギー課企画官(G7サミット担当)
1993年8月 大臣官房(事務次官秘書官)
1995年8月 総合外交政策局国連政策課長
1998年1月 条約局条約課長
2000年4月 在大韓民国日本国大使館公使
2004年7月 在エジプト日本国大使館公使
2005年8月 大臣官房参事官兼中東アフリカ局
2005年12月 大臣官房参事官兼中東アフリカ局、経済協力局
2007年2月 大臣官房審議官兼中東アフリカ局、国際協力局
2008年7月 大臣官房地球規模課題審議官(大使)
2011年1月 アジア大洋州局長
2013年6月 外務審議官(政務)
2016年6月 外務事務次官
2018年1月 特命全権大使 アメリカ合衆国駐箚
2021年2月 退職、外務省顧問

講義一覧


同盟は、同盟の相手方と同じことをやることではない

「同盟の真髄」と日米関係の行方(4)agree to disagree

同盟は、同盟の相手方と同じことをやることではない。「agree to disagree(合意しないことに合意する)」をきちんと示し合う関係こそ、同盟国の理想である。中華人民共和国の樹立が宣言された1949年以降、当時「血の同盟」といわれたイギリスとアメリカは、対中政策において異なる姿勢を示した。同盟国だからといって、ただ同調するのではない、本質的な同盟の姿をそこに見て取れる。(全8話中第4話)


同盟とはともに守らねばいけないものを命を懸けて守ること

「同盟の真髄」と日米関係の行方(3)同盟の本質と日本の役割

“You are not alone. We are with you.”――2024年4月に訪米した岸田首相は、米国連邦議会での演説でアメリカとの連帯の意思について、そう表現した。大見得を切ったようにも見えるこの表現には、緊張が高まる国際情勢を踏まえた日米同盟への覚悟があった。今あらためて、同盟の本質とは何かを考える。(全8話中第3話)


日本が中心?…東アジアの安全保障は「ラティスライク」に

「同盟の真髄」と日米関係の行方(2)東アジア安全保障の新たな形

2024年4月8日~14日に岸田文雄首相の米国公式訪問があった。9年ぶりとなった日本の首相の公式訪米は、いったいどんな成果を日本にもたらしたのだろうか。「統合指揮権」「『ハブ・アンド・スポーク』から『ラティスライク』へ」という2つのキーワードで、今回の訪米の安全保障面での意義を解説する。(全8話中第2話)


世界の紛争…アメリカの空母機動部隊は3正面で戦えるのか

「同盟の真髄」と日米関係の行方(1)日本を占う3つの選挙と軍事作戦

2024年は日本にとって重要な選挙が3つある。それは1月に行われた台湾総統選、4月の韓国総選挙、そして11月のアメリカ大統領選である。これらの選挙結果は、ロシア・ウクライナの戦争や、ガザ地区での紛争が収束の気配を見せない中で、台湾海峡をはじめとした東アジアの緊張が高まった場合に、日本にとって直接的な影響を及ぼす。今回は、特にアメリカの軍事的な動向に着目し、日本に訪れうる危機を考える。(全8話中第1話)