講義一覧
「同盟の真髄」と日米関係の行方(4)agree to disagree
同盟は、同盟の相手方と同じことをやることではない。「agree to disagree(合意しないことに合意する)」をきちんと示し合う関係こそ、同盟国の理想である。中華人民共和国の樹立が宣言された1949年以降、当時「血の同盟」といわれたイギリスとアメリカは、対中政策において異なる姿勢を示した。同盟国だからといって、ただ同調するのではない、本質的な同盟の姿をそこに見て取れる。(全8話中第4話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(3)同盟の本質と日本の役割
“You are not alone. We are with you.”――2024年4月に訪米した岸田首相は、米国連邦議会での演説でアメリカとの連帯の意思について、そう表現した。大見得を切ったようにも見えるこの表現には、緊張が高まる国際情勢を踏まえた日米同盟への覚悟があった。今あらためて、同盟の本質とは何かを考える。(全8話中第3話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(2)東アジア安全保障の新たな形
2024年4月8日~14日に岸田文雄首相の米国公式訪問があった。9年ぶりとなった日本の首相の公式訪米は、いったいどんな成果を日本にもたらしたのだろうか。「統合指揮権」「『ハブ・アンド・スポーク』から『ラティスライク』へ」という2つのキーワードで、今回の訪米の安全保障面での意義を解説する。(全8話中第2話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(1)日本を占う3つの選挙と軍事作戦
2024年は日本にとって重要な選挙が3つある。それは1月に行われた台湾総統選、4月の韓国総選挙、そして11月のアメリカ大統領選である。これらの選挙結果は、ロシア・ウクライナの戦争や、ガザ地区での紛争が収束の気配を見せない中で、台湾海峡をはじめとした東アジアの緊張が高まった場合に、日本にとって直接的な影響を及ぼす。今回は、特にアメリカの軍事的な動向に着目し、日本に訪れうる危機を考える。(全8話中第1話)