アメリカは日本の意見を求めている…きちんと旗を立てよ
「同盟の真髄」と日米関係の行方(8)(質疑)アメリカは日米同盟を捨てるか?
アメリカでは日本との同盟関係についてどのように考えているのか。そこでポイントとなるのは、日本の対中政策である。軍事的な緊張が増している今般の世界情勢の中で、日米の信頼関係を維持するために重要なのは、中国に対して日本がどんなスタンスを取るのか、そこをアメリカにきちんと示すことにある。最終話の今回は講演終了後の質疑応答編。(全8話中第8話)
元日本国駐アメリカ合衆国特命全権大使
「同盟の真髄」と日米関係の行方(8)(質疑)アメリカは日米同盟を捨てるか?
アメリカでは日本との同盟関係についてどのように考えているのか。そこでポイントとなるのは、日本の対中政策である。軍事的な緊張が増している今般の世界情勢の中で、日米の信頼関係を維持するために重要なのは、中国に対して日本がどんなスタンスを取るのか、そこをアメリカにきちんと示すことにある。最終話の今回は講演終了後の質疑応答編。(全8話中第8話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
「こりごりだ」「アイ・ラブ・トランプ」…いったいどちらが本当のトランプ評なのか。前大統領のトランプ氏は、過激な発言で物議を醸すことも多かったが、その人柄はどのようなものだったのだろうか。2024年11月アメリカ大統領選挙を前に、トランプ氏の実像について、前回大統領時に側近を務めた者たちの声とともに語る。(全8話中第7話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(6)アメリカ大統領選挙を占う3つの州
2024年11月に控えたアメリカ大統領選挙。激戦が予想されるが、大統領選挙には、その鍵を握る3つの州がある。それはどういうことなのか。アメリカ大統領選挙の仕組みを詳細に語る。(全8話中第6話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(5)中国封じ込めか戦略的互恵関係か
「米中新冷戦」という言葉も生まれ、中国を囲い込む上で、ある意味では「中心的存在だ」という見方もある日本。しかし、日米を中心とする「ラティスライク」な協調のあり方は、決してそのような「囲い込み」を目ざしたものではない。互いに対話を重ね、積極的にエンゲージ(関与)していき、より良い関係の構築を目指す。そのために何が必要か。これからの対中国のスタンスを解説する。(全8話中第5話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(4)agree to disagree
同盟は、同盟の相手方と同じことをやることではない。「agree to disagree(合意しないことに合意する)」をきちんと示し合う関係こそ、同盟国の理想である。中華人民共和国の樹立が宣言された1949年以降、当時「血の同盟」といわれたイギリスとアメリカは、対中政策において異なる姿勢を示した。同盟国だからといって、ただ同調するのではない、本質的な同盟の姿をそこに見て取れる。(全8話中第4話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(3)同盟の本質と日本の役割
“You are not alone. We are with you.”――2024年4月に訪米した岸田首相は、米国連邦議会上下両院合同会議での演説でアメリカとの連帯の意思について、そう表現した。大見得を切ったようにも見えるこの表現には、緊張が高まる国際情勢を踏まえた日米同盟への覚悟があった。今あらためて、同盟の本質とは何かを考える。(全8話中第3話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(2)東アジア安全保障の新たな形
2024年4月8日~14日に岸田文雄首相の米国公式訪問があった。9年ぶりとなった日本の首相の公式訪米は、いったいどんな成果を日本にもたらしたのだろうか。「統合指揮権」「『ハブ・アンド・スポーク』から『ラティスライク』へ」という2つのキーワードで、今回の訪米の安全保障面での意義を解説する。(全8話中第2話)
「同盟の真髄」と日米関係の行方(1)日本を占う3つの選挙と軍事作戦
2024年は日本にとって重要な選挙が3つある。それは1月に行われた台湾総統選、4月の韓国総選挙、そして11月のアメリカ大統領選である。これらの選挙結果は、ロシア・ウクライナの戦争や、ガザ地区での紛争が収束の気配を見せない中で、台湾海峡をはじめとした東アジアの緊張が高まった場合に、日本にとって直接的な影響を及ぼす。今回は、特にアメリカの軍事的な動向に着目し、日本に訪れうる危機を考える。(全8話中第1話)