斎藤環

精神科医/筑波大学名誉教授

プロフィール

1961年、岩手県生まれ。医学博士(筑波大学)。筑波大学医学研究科博士課程修了。2013年、筑波大学医学医療系保健医療学域社会精神保健学分野教授に着任。2024年4月より筑波大学名誉教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン共同代表。専門は思春期・青年期の精神病理学・病跡学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。

著書に『「自傷的自己愛」の精神分析』(角川新書)『改訂版 社会的ひきこもり』(PHP新書)『承認をめぐる病』(ちくま文庫)『世界が土曜の夜の夢なら―ヤンキーと精神分析』(角川書店、角川財団学芸賞)『オープンダイアローグとは何か』(医学書院)『「社会的うつ病」の治し方』(新潮選書) 、共著に『臨床のフリコラージュ:心の支援の現在地』(青土社)『心を病んだらいけないの?:うつ病社会の処方箋』(新潮選書、第19回小林秀雄賞) 『新版 ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするか』(岩波ブックレット)など多数。

講義一覧


「1on1」の効果は?メンバーの不調を見逃さないためのケア

メンタルヘルスの現在地とこれから(4)3つの予防と4つのケア

メンタルヘルスの領域において予防には3種類ある。一次予防、二次予防、三次予防という段階ごとの予防で、さらに職場でのケアには4種類あるのだが、実際に上司、あるいは同僚として職場のメンバーの不調やその兆候を見逃さないためにはどうすればいいのか。近年注目されている「1on1」も含め、それぞれについて詳しく解説を進めていく。(全6話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


育休はいつ定着する…ワークライフバランスが与える影響

メンタルヘルスの現在地とこれから(3)世代論とワークライフバランス

「日本の若者は世界で最も自己肯定感が低い」といわれているが、それはなぜか。バブル世代とバブル崩壊後に就職した就職氷河期世代の違いは、彼らが思春期・青年期を過ごした当時の社会が上向きなのか、凋落しているのかといったこととも関係している。さらに近年はワークライフバランスが叫ばれるなど、新たな社会圧がかかっていることもメンタルに影響しているのではないだろうか。今回は世代ごとのメンタルの違いと、育休制度なども進み始め、過渡期ともいえる現在の社会環境について解説する。(全6話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


昭和は気合い…!?令和のコミュニケーションで大事なこと

メンタルヘルスの現在地とこれから(2)職場のコミュニケーション

時代に伴ってコミュニケーションは変化する。昭和の時代、職場では今でいうハラスメント(パワハラ、セクハラなど)的なコミュニケーションをよく見かけたが、現在では「マイクロアグレッション」といわれる、本人も自覚しない微妙なマウンティングさえも、積もればストレスを与える行為と非難される。ではどのようにコミュニケーションをとっていけばいいのか。令和のコミュニケーションについて伺った。(全6話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る

メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか

組織のリーダーにとって、メンバーのメンタルヘルスは今や最重要課題になっている。組織として目標達成が大事であることは間違いないが、同時に一人ひとりの個性を見極め、適材適所で割り振っていく「合理的配慮」も求められている。そこで今回は、そうしたメンタルヘルスの現在地を把握するために、まずは「心を病む」ことの現代的定義を解説し、具体的な配慮の仕方に迫っていく。(全6話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)