物流「2024年問題」~その現実と打開策~(3)「2024年問題」を乗り越えるために
2024年4月、物流関連法が可決成立し、政府が「2024年問題」の改善を後押しする動きを見せている。労働時間の短縮と賃金単価の上昇を同時に進めるためには、生産性の向上が必須だが、どうすればいいのか。中継輸送、モーダルシフトなどの方策が講じられているが、そこには課題も少なくない。そもそもなぜ物流業界の生産性は低いのかという問題もある。その一つの要因である「ジャスト・イン・タイム」を解説しながら、「2024年問題」を乗り越えるための方策を提示する。(全3話中第3話)
物流「2024年問題」~その現実と打開策~(2)ドライバーの労働条件が低下した背景
ドライバーの賃金に関する実態調査によると、トラックドライバーの場合、多くの残業時間を含む長時間労働によって、ようやく一般の労働者に比較的近い収入を得ているという。しかし、そうしたいわゆる過重労働がドライバーの健康を蝕む労働災害を生み、それが人手不足にもつながるという現実が見えてくる。ではドライバーの労働条件が低下した背景には何があるのか。詳細なデータを丁寧に取り上げながら解説を進める。(全3話中第2話)
物流「2024年問題」~その実態と打開策~(1)「2024年問題」とは何か
トラックドライバーの労働時間制限によって引き起こされる物流「2024年問題」。トラック業界に訪れる働き方改革は、5年間の猶予措置を経て、さまざまな問題を噴出させる。中でも注目すべきは、時間外労働の上限規制と改善基準告示の改正である。それらによって最も憂慮されるのは、年間4億トンの荷物が運べなくなるということだ。いったいどういうことなのか。具体的な数値を挙げて、この問題の実態について解説する。(全3話中第1話)