田中琢二

元・国際通貨基金(IMF)日本代表理事

プロフィール

<生年月日>
昭和36年7月15日

<学歴>
東京大学教養学部教養学科
ケンブリッジ大学経済学部(MA)

<財務省略歴>
2019-22 国際通貨基金(IMF)日本政府代表理事
2018-19 関東財務局長
2017-18 副財務官 FATF日本政府代表
2016-17 大臣官房審議官(国際局、大臣官房)FATF日本政府代表
2014-16 主税局参事官 OECD・BEPSプロジェクト委員
2009-14 産業革新機構専務執行役員
2007-09 主税局参事官(国際課税担当)
2006-07 一橋大学大学院国際企業研究科客員教授 
2005-06 厚生労働省大臣官房企画官(保険局)
2003-05 大臣秘書官(谷垣財務大臣)
2002-03 大臣官房秘書課財務官室長、文書課企画調整室長
1999-2002 NY総領事館領事、大蔵省NY事務所次長
1998-99 主計局主査(建設、公共事業4係)
1997-98 主計局主査(科学技術1係)
1996-97 主計局調査課課長補佐
1994-96 理財局国有財産総括課課長補佐(民営化株式売却)
1992-94 日本銀行営業局
1991-92 関東信越国税局高田税務署長
1989-91 国際金融局国際機構課
1987-89 ケンブリッジ大学留学
1985-87 大蔵省入省、大臣官房秘書課

<専門分野>
金融機関経営、国際経済・国際通貨システム、国際課税、世界の金融政策、比較政治(英、米)

<教授等歴>
一橋大学大学院国際企業研究科客員教授(2006-07年)
早稲田大学大学院ビジネススクール非常勤講師(2009-10年)

<著作>
「イギリス政治システムの大原則」(第一法規、2007年)
「経済辞典第3版」(財政・予算関連執筆者、1998年)
「アメリカ金融入門」(ガーバー/ワイズブロット、第二章翻訳、日本評論社、1994年)
「日米経済問題100のキーワード」(G7、政策協調担当、有斐閣、1992年)
「IMFハンドブック」(SDR章担当、年金研究所、1990年)

<その他>
東京大学ア式蹴球部
元日本サッカー協会アドバイザリーメンバー
元日本オリンピック委員会ゴールドメダル委員会委員

講義一覧


日本経済の強靭性を高めるタイミングは今…必要な戦略は?

世界経済の見方とIMFの役割(6)これからの世界経済と日本経済への視座

パンデミックに始まり、金融のタイト化、大幅な金融緩和、地政学的リスクの増大と、わずかの期間に世界経済は激しい波に晒されている。デフレ懸念がインフレ懸念に逆転すると、その圧力はさらに強まっている。また、ウクライナ戦争はいつ終結するのか、新たな経済リスクは発生しないのか、なども大事なポイントである。最終話では、はじめにこれからの世界経済への視座として大事な5つのポイントを挙げ、IMFが取り組む具体的な課題を解説。最後に、これからの日本経済に対する視座を列挙し、強靭性を高めるための提言を行って本講座を締めくくる。(全6話中第6話)


IMFの支援なしに再生なし――世界経済を支える3つの機能

世界経済の見方とIMFの役割(5)IMFの歴史と世界経済を支える機能

現在のグローバル経済において、IMFの役割はますます重要になっている。では世界経済を陰で支えるIMFは何を目的にして、どのように生まれたのか。これまでに中南米や欧州、そして東アジアに発生した世界的な経済危機は、IMFの支援なしには再生できなかったことは論を俟たない。そこで今回はIMFの歴史と組織内部について解説する。(全6話中第5話)


地政学的緊張が招く世界経済のダウンサイドリスクとは

世界経済の見方とIMFの役割(4)地政学リスクによるインフレの正体

パンデミック危機から回復基調にあった世界経済は、地政学的リスクという要因によって再び混迷の度合いを深めている。当初の予想に反して長引くウクライナ戦争もその一因となって、世界のエネルギーや食料の高騰、サプライチェーンの分断などを招き、インフレ期待が増進し、やがて実質経済成長に大きな影響を及ぼすことになる。そうした今後の経済のダウンサイドリスクについて、IMFの分析をもとに解説する。(全6話中第4話)


IMFはなぜインフレが「一時的」なものだと見誤ったのか

世界経済の見方とIMFの役割(3)世界的な景気減速がもたらすもの

パンデミックによる経済危機から立ち直り始めた世界経済は、「一時的」なインフレを伴いながらも着実に回復するものと予想されていた。ところが、ウクライナ戦争が勃発して世界のエネルギー価格が急騰すると、さらなるインフレ圧力が高まって食料その他の価格上昇を招き、世界経済に暗雲が再び立ち込めてきた。これらの重層的要因から2023年はどうなるか、分析を進める。(全6話中第3話)


デフレ懸念のあった世界経済、なぜインフレが起こったのか

世界経済の見方とIMFの役割(2)金融市場の動向とインフレの懸念

パンデミックによる世界経済危機が底の見えないデフレ懸念を増大させると、主要国とIMFは危機回避の積極政策を提言・実行し、各国もそれに続くようになった。すると世界経済は緩やかに回復基調をたどり始め、金融市場では早くもパンデミック後を見越して株価が上昇するなど、今度はインフレを懸念する見方も出始める。今回は金融市場の動向とインフレの懸念について解説していただく。(全6話中第2話)


世界経済はどう動くのか…コロナ禍とIMFの分析

世界経済の見方とIMFの役割(1)パンデミックに直面した世界経済の変化

グローバル経済が地球規模で拡大する現代において、IMF(国際通貨基金)の役割もますます重要性を帯びている。特に2023年、4年目に突入した新型コロナウイルス感染症のパンデミック、そして1年が経過しようとしているウクライナ戦争によって、世界は類例のない経済危機に陥っている。この状況下で、IMFの日本代表理事として直接この問題に携わってきた田中琢二氏に、世界経済の動向とIMFの関係、そして今後の展望について、これから6回にわたり講義していただく。(全6話中第1話)