西川廣人

株式会社西川事務所代表/日産自動車株式会社 元代表執行役社長兼CEO

プロフィール

1953年生まれ。
1972年東京都立戸山高等学校卒業。
1977年東京大学経済学部、経済学科卒業後、日産自動車株式会社入社。
米国留学、米国駐在等を経て、1998年欧州日産、ジェネラルマネージャー。
2000年ルノー日産共同購買、エグゼクティブジェネラルマネージャー。
2005年日産自動車、取締役副社長、欧州事業統括、グローバル購買統括。
その後、北米事業統括、アジア、日本事業統括、モノづくり機能(開発、生産、購買、SCM)統括を歴任。
2017年4月同代表取締役社長兼CEOに就任。
2019年9月同代表執行役社長兼CEO退任。2020年2月同取締役退任。

他の主な役職歴:
フランス、Renault SA. 取締役(2006年~2016年)、
東風汽車有限公司、董事(2009年~2019年)、
日本自動車工業会会長(2016年~2018年)、
株式会社アイディーエス(本社:東京都港区)顧問 2020年7月就任。

講義一覧


電気自動車の世界的競争で勝ち残るポイントとは?

電気自動車で、自動車業界の激変は起きるのか

これから、自動車業界にとってのゲームチェンジのメガトレンドとなりうるのが電気自動車である。日産は電気自動車に力を入れてきたが、その日産を率いてきた西川氏の眼に、今後の電気自動車への動きは、どのように映っているのだろうか。電気自動車が、自動車業界に与えるインパクトとは? また、時代はどのように変わっていくのか?(全1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


ベンチャー企業と大企業の壁を壊すべく人材の流動化を

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(9)日本の活性化

日本のマーケットは、世界的に見ると、どんどん縮んでいる。一方で、アメリカやEUや中国の市場は、どんどん拡大し、一定の規模があるので、そこで成功したベンチャー企業が、そのまま世界に打ち出していける利点がある。では、日本の仕組みや組織風土を変えるためには、どのようなことが必要なのだろうか? 変化は確実に起こっている。国境を越えた視野や人材活用など、日本に求められることとは?(全9話中第9話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


グローバル・リーダーにとって必須の「三つの条件」

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(8)リーダーの条件

日本における外国人のグローバル人材としての要件とは何だろう。そうした人材を育てるために必要な3か条を西川氏が語る。一方で、植民地経営をしたことがある国のビジネスマンと、そうでない国のビジネスマンとでは、自ずと経営のやり方が違ってくる部分もあるのだろうか。そして、そのような歴史・文化背景までを考えたとき、日本企業は、グローバル・リーダーとして、どのような人材を求めるべきなのだろうか。(全9話中第8話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


ゴーン事件の核心とそのときの日産内部の状況とは?

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(7)ゴーン事件

グローバル・リーダーには、強さとともにエンパシーが求められる。ルノーからやってきたゴーン・チームのなかでも、最後まで残った人間とは、そのような人々だった。日本人経営リーダー層のなかからも、そのような資質のある人材が育ちつつあった。しかし、そのようななかで、ゴーン事件が起きる。その前後、日産社内では多様な不安や不満が渦巻いていたのも事実である。はたして日産内部で何が起きていたのか。日産の人々の想いとは、どのようなものだったのか。(全9話中第7話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


電気自動車時代に向けていかに舵取りすべきだったか

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(6)革新と多様性

2000年代は、「電気自動車」をはじめ自動車の電動化への潮流が大きなものとなっていった。このような流れのなかで、自動車会社としては、もちろん新商品のための投資が必要不可欠だが、一朝一夕に事が成るわけではない。そんなとき企業にとって、「絶えず収益を求められる状況」は、まことに厳しい。では、ルノーと日産の関係はどうだったのだろうか。さらに、トップマネジメントチームに求められるものとは、どのようなものだったのか。(全9話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


「400万台クラブ」を超えた先の戦略は正しかったか?

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(5)拡大の転機

カルロス・ゴーン氏の経営は「前半が素晴らしく、後半に課題を噴出した」と言われる。その転機は2005年以降だろうと西川氏は振り返る。日産自動車には多彩な人材が集まり、現在の同社を支える人材に育っている。また、当時「400万台クラブ」ということが言われていて、ここを安定的に超える規模になったことは大きかった。しかしその後、ペースをどうするかの判断が難しかった。成長と規模増大一辺倒のやり方には一考の余地があったのではないだろうか(全9話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


ストレッチが過ぎてはいけないが、「1つ上の目標」を持て

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(4)目標設定の妙味

改革の方向はシンプルであったが、それを回すためには優秀なリーダーが必要不可欠であった。とくに、「従来のパターンで達成できなかった目標レベルをどう設定するか」は非常に難しい問題である。さらにいえば、目標設定次第で、異なるファンクションが対立するか、協力するかも変わってくる。ここは、まさにリーダーの資質で、トライ・アンド・エラーの早回しで、勘所を養っていくしかない。そして、問題解決を短期間で繰り返していくゴーン改革は、非常に速く、かつ有効な処方箋であった。(全9話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


ゴーン改革のなかで経営者人材はいかに育ったのか?

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(3)経営者人材の育成

 組織運営では、あまり当初の指標にこだわると、前に進みにくくなる。ゴーン改革の妙味は、短期で達成できる具体的な成功体験を全社的に味あわせるところにあった。また、ヨコ軸とタテ軸のクロスファンクショナルな経営を進めていくなかで、それをリーダーとして率いたメンバーたちが、次世代の経営者人材として育っていき、次の発展段階で大いに役立つことになる。(全9話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


なぜ「日産リバイバルプラン」を前倒しで達成できたのか

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(2)最初のステップ

 西川氏が振り返るのは、ゴーン体制の最初のステップの鮮やかさだ。個別に抱える複雑な問題を解決するために、グローバルな横軸を通し、さらに地域毎の「マネジメントコミッティ」をつくった。そして「共通の定義」による「共通の目標」を設定し、一貫性のある仕事に向けて「まず一歩」を進め出したのである。その結果、最初の2年で当初の全体目標を達成。みんなが仕事の進め方をつかみ、自信を抱くようになった。(全9話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


カルロス・ゴーン氏が来る以前の日産の最大の問題とは?

ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(1)ゴーン以前

 西川廣人氏は、日産自動車社長兼CEO(最高経営責任者)を務め、カルロス・ゴーン氏が来る以前と以後の日産の両方を体験するという、貴重な経験を積んでこられた。「ゴーン改革」は日本企業に大きな衝撃を与えたが、いわば日本企業がグローバル経営を進めるうえでの大きな教訓でもあった。今後、日本企業がグローバルビジネスを展開していくために、何が問題で、何をしなくてはいけないのか。経営者人材を育てるために何が必要なのか。それらについて、西川氏が日産での経験で痛感した「課題と教訓」を余すところなく語る。第1回目は、変革以前のあり方と、その問題点についてである(全9話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)