東京大学創立150周年のスローガン「響存」への思いとは
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(6)デザイン視点と「響存」
研究や事業において、さまざまな人や分野が多様に連携するこれからの時代、大学教育に必要なのは「デザイン」の視点だ。それを踏まえ、東京大学が掲げるのが「College of Design」という構想である。日本の近代化とともに迎えた東京大学の創立150周年のスローガンである「響存」に込められた思いについてと合わせて解説する。(全6話中第6話)
東京大学 総長
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(6)デザイン視点と「響存」
研究や事業において、さまざまな人や分野が多様に連携するこれからの時代、大学教育に必要なのは「デザイン」の視点だ。それを踏まえ、東京大学が掲げるのが「College of Design」という構想である。日本の近代化とともに迎えた東京大学の創立150周年のスローガンである「響存」に込められた思いについてと合わせて解説する。(全6話中第6話)
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(5)人材の流動性と大学進学者減少の問題
女性の活躍や若手登用などが叫ばれる昨今、要職の女性比率や博士人材の活躍において、欧米と比べて遅れをとる日本。その改善には、日本的な雇用慣行の改革が必要になる。その道のりの困難さを確認した上で、少子化が進み、大学進学者数が減少する中、これからの大学のあり方を考える。(全6話中第5話)
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(4)東京大学が推進する企業連携
最新技術を活用したスタートアップ事業においてそれを支援する存在が重要になるが、東京大学は外部との連携に力を入れることでそれを実現しようとしている。数々の大企業や世界的なネットワーク構築によって可能になっている、東大の研究開発、事業支援の実践を紹介する。(全6話中第4話)
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(3)AI時代の大学教育と起業家教育の展開
AI技術の発展、普及が急速に進む現代社会にあって、大学教育に求められる役割も変わってきている。知識を持っていることの価値が下がったAI時代に必要な「方法知」とは何か。最新技術の習得と起業家精神を養う大学教育はいかにして可能か。東京大学の豊富な実践例からそのヒントを探る。(全6話中第3話)
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(2)無人探査機の技術進歩
東京大学に入学し、幼少時から興味を持っていた深海の無人探査機の研究開発に着手することになった当時の藤井輝夫氏。そこには、師となる浦環氏との出会いや、タイタニック号の発見といったセンセーショナルな出来事との巡り合わせがあった。今回は藤井氏の研究歴を振り返りながら、無人探査機の技術進歩について学ぶ。(全6話中第2話)
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(1)対話と自律の大学運営
東京大学が掲げる「多様性の海へ:対話が創造する未来」というスローガンは、日本の大学の新しい運営のあり方を見据えた指針である。多様な知を社会で共有するための対話の重要性や、大学の自律的な経営を可能にする新たな経営モデルを中心に、これからの大学運営の方法を深掘りしていく。(全6話中第1話)
東京大学の新たな挑戦(5)産学協創と新しい財務運営
東京大学は量子コンピューティングの分野で、シカゴ大学とIBM、シカゴ大学とグーグルという2つのアライアンスにサインを行い、また日立製作所などと産学協創という組織間の連携を行っている。こうして最先端の技術分野の研究を行うためのネットワークがつくられているが、重要になるのはいかにリソース(資金)を準備するかである。東京大学は、自由度の高い独自資金を確保するため、新しい財務運営への取り組みを始めている。それはどんなことなのか。国からの補助金頼みから脱却するための方策とは。(全5話中5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東京大学の新たな挑戦(4)大学間の交流と対話のチャネル
人材の交流を活発にすることと同時に、世界の大学とのグローバルな大学間交流を活発にすることも大切になる。東京大学は藤井総長のもとで大学間の行き来を積極的に行っていて、大学間連携がどんどん強化されているという。では具体的にどのような大学とどのような交流をしているのだろうか。その内容を見ていこう。(全5話中4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東京大学の新たな挑戦(3)グローバル人材輩出に必要なこと
日本の優秀な人材が世界で活躍するためにはどうすればいいか。組織や個人がグローバルなネットワークを構築していれば、日本人のバリューはさらに上がると語る藤井氏。日本の大学はその基盤や価値をきちんと持っていると言う。(全5話中3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東京大学の新たな挑戦(2)グローバルネットワークの構築へ
東京大学の新たなカレッジのコンセプトの1つは、いかにグローバルに開かれたものにするかという点だ。過去のフランスでの経験などから、グローバルに開かれた環境で研究することの重要性を語る藤井氏。今回は人材育成において、いかにグローバルネットワークが大切であるかを解説する。(全5話中2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東京大学の新たな挑戦(1)新しいカレッジの構想
近年、日本は海外へ留学する学生だけでなく、海外からの留学生も減っているという。それは、日本の大学で学ぶためには日本語をマスターしなければならず、そのことが大きな壁となっているのだ。そこで東大では、そうした留学生のハードルを取り除き、さらに日本の学生が海外へ出る足掛かりとなるような新しいカレッジを構想しており、そこで彼らのインタラクション(相互作用)に期待しているのだ。そのカレッジのコンセプトは大きく2つあるという。その具体的な内容とは。(全5話中1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東大を人と人をつなぐ学びの場に(4)予算思考からの脱却
これまで東京大学は国立大学だったこともあって「予算」思考であった。だが、今の日本では、それでは尻つぼみになりかねない。「やりたいこと」「やるべきこと」をまず高らかに打ち出し、それをもって社会と対話し、共感を得て、協働していく。さらにいえば、そこに投資の仕組みを組み込めば、東大発ベンチャーが成長の核にもなりうるだろう。そのとき、「ビジネス」を目的としてガツガツ取り組むよりも、「好きなことに好きなだけ打ち込んでクオリティを上げる姿勢」が、大学生にはよく似合う。好きなことが世界につながり、仲間を増やし、ともに実現された夢がまた次のチャンスを連れてくる。そのような前向きの循環が、世の中を良くしていくのだ。(全4話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東大を人と人をつなぐ学びの場に(3)デジタルとベンチャー
「対話と共感」の目的は、人と人、組織と組織、多様化した価値観をつないでいくことにある。コロンビア大学などでは、オンライン教育のあり方も大いに進歩しているが、最先端のデジタル技術やサービスを利用しながらネットワークを構築することにより、学生たちの学ぶ幅も増える。また、東大発ベンチャーの動きも盛んだが、2020年のオープンキャンパスでは、学生の力で「バーチャル東大」も実現した。(全4話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東大を人と人をつなぐ学びの場に(2)世界大学ランキング
東京大学に入学する学生の質の高さには定評がある。また、2020年11月から2021年1月までの期間で行われた「赤門脇トイレ」デザインコンペティションでは、学生たちの素晴らしいアイディアが多数集まった。彼らを教室だけの秀才にとどめることなく、社会や世界で活躍できる人材に育てることが重要となる。また、世界大学ランキングも話題になっているが、世界的な評価を上げるためには、国際的なネットワークをどれほど構築できているかも重要になる。国際ネットワークする現場を経験することは学生の成長にも大きく結びついていくのである。(全4話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
東大を人と人をつなぐ学びの場に(1)対話と共感
2021年4月に東京大学第31代総長に就任した藤井輝夫先生に、お話しをうかがう。藤井総長が掲げるのは「対話と共感」である。今、社会が大きな転換期を迎えるなかで、大学は「いろいろなものをつないでいく役割を果たさなければならない」からだ。実際に「知識を活用していく」現場は、基本的に人を介在した環境になる。だからこそ、人とのつながりが重要になるのである。さまざまなネットワークのなかで、実践的な知が創出されていく環境が構築されようとしている。(全4話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)