「忍者」は戦後の呼び方…海外の忍者ブームと史実の差は?
「忍者」とは何か(1)日本文化としての忍者
大学組織としては世界的にも珍しい国際忍者研究センターを持つ三重大学。その准教授・高尾善希氏が、「忍者とは何か」について解説する。忍者は映画などのフィクションの影響もあり、海外で非常に人気がある。しかし、内側、外側両方から見た日本文化という点からも、今一度、忍者について考え直そうという気運が高まっているのだ。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
三重大学国際忍者研究センター 准教授
「忍者」とは何か(1)日本文化としての忍者
大学組織としては世界的にも珍しい国際忍者研究センターを持つ三重大学。その准教授・高尾善希氏が、「忍者とは何か」について解説する。忍者は映画などのフィクションの影響もあり、海外で非常に人気がある。しかし、内側、外側両方から見た日本文化という点からも、今一度、忍者について考え直そうという気運が高まっているのだ。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「忍者」とは何か(2)「忍び」技術を持った専門集団
黒装束に十字手裏剣を投げるといった一般的な忍者のイメージは、実は江戸時代後期につくられたもので、実像とは異なっている。実際の忍者は、情報探索や斥候、奇襲、守衛など特殊任務に就いていた足軽で、彼らはその土地と結びつき、専門技術を生かし戦いの下支えをしていたのである。(全5話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「忍者」とは何か(3)伊賀・甲賀に忍びが多い理由
伊賀・甲賀地域は山城が多いという地理的要因から近隣の大名も攻めにくく、小さな武士集団が乱立していた。天正伊賀の乱で伊賀勢は織田信長に滅ぼされるが、逃れてきた者たちのなかで特殊技能を持つ忍者たちが下級武士団として召し抱えられていく。フィクションの世界ではライバル関係として描かれることの多い伊賀忍者と甲賀忍者だが、実際には同盟関係を結び、情報を融通し合っていた。(全5話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「忍者」とは何か(4)伊賀者の役割と忍びとしての使命
実際に伊賀、甲賀の忍者はどのように戦っていたのか。江戸時代初期に書かれた『三河物語』などを見ると、彼らはまず突撃をして戦況の打開を図る役割を担っていたことが分かる。また、彼らは姿を現わして情報収集を行う「陽忍」、姿を隠して敵陣に忍び込む「陰忍」という両方の活動をしていたという。いずれにしても、「生きて情報を持って帰る」、これが彼らの使命であった。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「忍者」とは何か(5)忍術の道具と「忍者の末裔」の仕事
江戸時代の忍術書には忍びの道具について書かれているが、なかには「水蜘蛛」のようにこれまで漫画などで描かれてきたイメージとは違った使い方をするものもある。そうしたことが分かると、「実際の忍者はこうだった」と夢を壊すことになるかもしれないが、忍術やその道具をはじめ忍者のさまざまな側面を知ることは、彼らが当時どんな生活をし、どう努力をしてきたかが分かり、それが現代にも生かせるヒントにもなるはずだ。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)