講義一覧
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(9)今後のローカル5G予測その3
ローカル5Gの運用に関して、AIによって自動化できれば、コストの削減と同時に人手不足の解消にもつながると中尾氏は話す。そこで、通信領域でのAI活用研究としてコンテストを実施するなど、いろいろな取り組みが行われているのだが、衛星通信との連携に関しても研究開発が進められている。最終話の今回は、今後のローカル5G予測第3弾として、ローカル5Gへの機械学習・AI機能のインテグレーションについて、またBeyond5G・6Gに向けた具体的な取り組みについて語る。(全9話中第9話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(8)今後のローカル5G予測その2
今後ローカル5Gの運営主体が多数登場すると、端末がそれぞれを渡り歩くというユースケースが生じるため、それに対応するローミング技術が必要となる。これが、柔軟なソフトウェア基地局を実現するオープンソースの利活用で可能になるという。今回は、今後のローカル5G予測の二つ目として、ローミング技術の必要の高まりやオープンソース開発の状況、また公衆網と自営網の設備共用の可能性について語る。(全9話中第8話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(7)今後のローカル5G予測その1
2020年に5Gから利用できる新しい周波数帯「Sub6」が免許制度化されたことで、2021年からはこの利用が大きく進展することが予想される。では具体的に今後ローカル5Gで何が起こるか。そのためには何が必要となってくるのか。ここからの3話で、2021年のローカル5G予測として、主に3つの可能性に迫る。一つ目は、ローカル5G運営主体の密集に伴う干渉調整技術の必要の高まりについて語る。(全9話中第7話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(6)カキ養殖における5Gの利活用
ローカル5Gとキャリア5Gを整備するための実験場所として、日本のカキ(牡蠣)生産第1位の広島県でも有数の生産量を誇る江田島市の漁場を選定。実際にどのようなことが行われているのか。水中ドローンの映像を見ながら確認しよう。(全9話中第6話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(5)地域課題解決型のローカル5G
ローカル5Gとキャリア5Gの連携により一次産業、特に漁業への利活用の実証事業が採択された2020年度。中でもカキ養殖においてローカル5Gの適用ができないかということで、多くの課題があがる中、課題解決に向けた取り組みが行われている。具体的にはどのようなことが行われているのか。今回は、地域課題解決型のローカル5Gの実現に向けた開発実証について解説する。(全9話中第5話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(4)ローカル5G普及の課題
ローカル5G普及における一番の問題は、機器が非常に高価、つまりインフラのコストが非常に高いことだ。そのため、導入を躊躇しているという事例が多く見られるという。そこで中尾氏の研究室では、一般家庭のパソコンでローカル5G(SA)の基地局が構成できるのかという課題に取り組んでいる。今回では、そのための実験やローカル5G利活用について語る。(全9話中第4話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(3)ローカル6Gと民主化のアプローチ
「今後の6Gはローカル6Gから始まる」と中尾氏は言う。これは一体どういうことか。自営網の制度化によって、一般の事業者が免許を取得してローカル5Gの整備が可能となった。そこで現場発の仕様によってカスタム化が行われ、そのことがローカル6Gの技術へとつながっていく。そうしてできた共通仕様が公衆網の6Gへと取り入れられていく。ここで重要なのは現場発の仕様策定だ。そこに、通常のアプローチとは異なる「民主化のアプローチ」のポイントがある。(全9話中第3話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(2)ローカル5Gの特徴
ローカル5Gの特徴として特に聞かれるのは、公衆網の5G、Wi-Fiと比較してどこが違うのかという点だ。携帯事業者の5Gとの比較では、他の場所での通信障害や災害などの影響を受けにくいなどの特徴があり、Wi-Fiとの比較では、無線免許に基づく安定的な利用が可能となるという特徴が挙げられる。これらの整備はとても重要で、ローカル5Gをいろいろな建物や敷地の中で自ら運営する5Gネットワークとして活用していくことが期待されている。ただ、5Gの特徴である大容量通信、低遅延通信などは公衆網の5Gや「Wi-Fi6」でも実現できる。では結局、ローカル5Gの良さは何なのか。中尾氏らの研究室が行った実証実験の話を交えながら解説する。(全9話中第2話)
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
5Gを超える6Gに向けて、情報通信の民主化により地域課題を解決するような未開拓領域の情報通信の利活用が進んでいく。そうした可能性について具体例を交えて解説するシリーズ講義。第1話は、情報通信の民主化が6Gの研究開発に与える影響、そして公衆網通信との協創について語る。(全9話中第1話)
5Gとローカル5G(1)5G推進の背景
第5世代移動通信システムである5Gが、日本でもいよいよ導入される。世界中で5Gが導入されている背景には、2020年代に訪れるというデータ容量の爆発的な増大に伴う、移動通信システムの刷新がある。5Gにより、高精細動画のようなアプリケーションはさらに進化していくだろう。(全9話中第1話)
5Gとローカル5G(2)5Gにおける無線通信の変革
5Gの導入によって、無線通信はいろいろな点で変革される。とりわけ、大容量通信、低遅延通信、接続数デバイスの増加はさまざまなアプリケーションを可能にしている。また5Gの周波数が各事業者に割り当てられたが、周波数や波長の違いによって、データ送信スピードや送信可能容量が異なる点に特徴がある。(全9話中第2話)
5Gとローカル5G(3)5G実現に向けた各国の試み
世界各国で5G実現に向けた取り組みが進んでいるが、日本はその中で導入が比較的遅れているという。2020年の東京オリンピックに向けて、さまざまなアプリケーションに関する実証経験によって、慎重に検討が重ねられているからである。(全9話中第3話)
5Gとローカル5G(4)eMBBの分野での実証実験
5Gのシステムを使った実証実験は、多方面で進められている。特にドローンを用いた4K映像のリアルタイム伝送実験は、商品化に伴って生じるさまざまな問題を浮かび上がらせるという点で非常に有用である。その他にも、8Kライブ映像を活用した競走馬の育成支援も、5Gによる実証実験として行われている。(全9話中第4話)
5Gとローカル5G(5)自動運転に関する実証実験
5Gを活用したアプリケーションについての実証実験としては、低遅延に関わるものもある。その中でも、自動運転の車が苦手としてきた協調運転制御が注目を集めている。この技術によって、「信号のない世界」が実現するかもしれない。(全9話中第5話)
5Gとローカル5G(6)通信インフラの新技術
「タクタイル・インターネット」という5Gが可能にする技術がある。これは神経伝達に近い低遅延通信によって「ヒトの感覚」を伝えるというもので、この技術によってロボット開発への期待が膨らんでいる。また現在、商用化のために日本全国で5Gの総合実証実験が行われているが、通信タイプごとの混線を防ぐため、アプリやサービスのトラッフィクを分離する通信インフラ技術も求められる。そこで考えられているのが「ネットワークスライシング」だ。これは非常に重要な考え方ということで解説を進めていく。(全9話中第6話)
5Gとローカル5G(7)ローカル5G導入に向けて
2019年度から、5Gは地域での利用(ローカル5G)に関する実証研究が進んでいる。ローカル5Gは、東京を拠点とする全国事業者以外を対象として、地域で主体的に通信を利用する自治体や個人のニーズに応えるために推進されている。こうした試みにより、情報通信の民主化が進んでいく。(全9話中第7話)
5Gとローカル5G(8)今後のICT産業社会の構造改革
今後、ICT産業社会は大きな構造変革を迎えていく。2030年に向けて、5Gをはじめ多様な情報通信技術が進化していくが、5Gでは、大容量・超低遅延・超多数接続という最新の移動通信技術が実現すると同時に、情報通信の民主化が進んでいく。情報通信の民主化は、「自営網」という言葉があるように5Gの技術をローカル5Gとして自ら営んでいくことで、「自営網」技術によって、通信サービス提供者がさらに多様化していく時代がやってくるだろうと中尾彰宏氏は語る。(全9話中第8話)
5Gとローカル5G(9)水中ドローンの遠隔操作
東京大学中尾研究室は、NTTドコモとの共同研究の結果、5Gと水中ドローンを利用した漁場での遠隔監視の実証実験に成功した。これにより、牡蛎(カキ)の養殖をはじめとする漁業従事者の大きな負担を軽減することが期待されている。(全9話中第9話)