海部陽介

東京大学総合研究博物館 教授

プロフィール

1969年、東京都生まれ。東京大学理学部卒業。東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。東京大学総合研究博物館教授。人類進化学者。理学博士。約200万年におよぶアジアの人類史を研究。元職の国立科学博物館にてクラウドファンディングを成功させ「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」を実施。日本学術振興会賞、海洋立国推進功労者表彰などを受賞。

主な著書に、
『人間らしさとは何か』(河出新書)
『サピエンス日本上陸』(講談社)
『日本人はどこから来たのか』(文藝春秋)
『人類がたどってきた道』(NHKブックス)など。

講義一覧


最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか

最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート

人類はアフリカにいたホモサピエンスが世界に拡散し、その一部が日本に渡ってきたとされている。では、いつ頃どんなルートをたどってきたのか。この大いなる謎解きに挑んだのが海部陽介氏だ。海部氏は、日本にホモサピエンスが渡ってきたルートとして、北海道、対馬、沖縄の3ルートが考えられると言う。ホモサピエンスは移動した先で自然環境に適応しながらアジア大陸を越え、ある時期、海を渡って日本に入ってきたのだ。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


「3万年前の航海」に挑んだ徹底再現プロジェクトとは

最初の日本列島人~3万年前の航海(2)3万年前の航海を徹底再現

3万年前、ホモサピエンスは日本にどのようにして渡ったのか。それを解明するため、海部陽介氏は台湾から沖縄に向かうルートを使って実験航海を行うプロジェクトを敢行。当時と同じ材料と道具、技術で舟を作り、航海に臨んだのだ。試行錯誤の末、丸木舟という方法にたどりついたが、当時の彼らからすれば、それは冒険ではなく「移住」のためのものだった。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


航海実験を通して感じた人間の潜在能力のすごさ

最初の日本列島人~3万年前の航海(3)祖先たちの偉大な能力

日本にどこからどんな技術で人がたどり着いたのかを探求するため、当時と同じ技術で航海実験を行った海部陽介氏。海は日々変化をするもので、それに対応しながら航海を続けるというのは、当時の技術では困難を極めたはずだが、逆にそれを乗り越えてやってきた祖先たちの潜在能力のすごさを実感したと言う。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)