講義一覧
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(6)新たなミッションとしての国際協力
危険が伴う紛争地域への現地支援についてどのように考えるべきか。また、自国の経済が苦しい中で、国民の税金で行う他国への支援について、人道と国益という視点からどう考えるべきなのか。国際協力活動をとりまく疑問に対して、真摯に答えていく本講義終了後の質疑応答編。(2024年4月27日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全6話中第6話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(5)海外協力隊と国際交流
「人間の安全保障」のためにできる活動は、個人単位でも幅広くある。その1つが海外協力隊である。課題はあるが、誰でもその人の経歴や能力を生かせば国際貢献できるということだ。その可能性について、国際NGOに必要な透明性や、個々人の国際交流が持つ意義とともに解説する。(2024年4月27日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全6話中第5話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(4)「人の貢献」とNGO活動
日本の人助け指数は世界ワースト2位だというデータがある。それだけ日本にはまだ人道支援、チャリティという概念が浸透していないということではないか。前回解説した「人間の安全保障」は、一人ひとりの自立を支援することで長期的な国際平和を目指すという考え方だが、具体的にどのような方法によってそれが実現できるのだろうか。今回は、国際NGOで成果を挙げている活動や個人ができる活動を紹介し、私たちにできる安全保障の形、「人の貢献」について具体的にイメージしよう。(全6話中第4話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(3)人間の安全保障、その理念と実践
紛争を食い止めるためには、国同士の国際的な協調が必要なのはいうまでもない。では、そうした国家レベルでの安全保障とは別に、私たち個人が平和のためにできることはあるのだろうか。その方法として小原雅博氏が提案するのが、「人間の安全保障」である。個人の自立を尊重し、支援・協力するその理念と重要な実践方法について解説する。(2024年4月27日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全6話中第3話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(2)国際社会の問題点と人間の本性
なぜ国際社会は世界から戦争や紛争を止めることができないのだろうか。その原因について、「国家とは何か」といった根本的な問いから考える。しかし、そこには「暴力の独占」を正当化する国家を超越する「至上の権力」がない国際社会の問題点と、人間の本性として嫌悪しながらも魅了される暴力の抑制という課題がある。今回はこの難題について解説する。(2024年4月27日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全6話中第2話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
「20世紀は戦争の世紀」といわれているが、近年もロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ紛争が起こるなど、世界的に戦争や紛争が絶えない現実がある。再び戦争の時代へ突入したこの状況を私たちはどのように考えて、どう向き合っていけばいいのか。第1話の今回は、まずアメリカの弱体化をはじめ現在の混沌とした情勢の背景、その経緯について解説する。(2024年4月27日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全6話中第1話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
地政学入門 歴史と理論編(7)戦争を起こさないための地政学
国際社会において戦争を起こさないためには、これまでの歴史を踏まえて地政学的に世界情勢を分析することである。第1次・第2次世界大戦から冷戦期における分析からはじめ、古代ギリシャから現代まで引き継がれる「トゥキディデスの罠」の教訓と、弱体化するアメリカの現状を踏まえ、これからの国際社会を考えるヒントを探る。(全7話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
地政学入門 歴史と理論編(6)「リムランド」のせめぎ合い
世界の主導権を握るための重要エリアとして地政学的に提唱されたのは「ハートランド」だが、第2次世界大戦期においてスパイクマンがより重要なエリアとして論じたのは「リムランド」だった。第1次世界大戦後から第2次世界大戦期におけるアメリカやイギリスといった大国の動きを、リムランドをめぐる攻防の観点から読み解く。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
地政学入門 歴史と理論編(5)地政学理論の先駆者たち
地政学の理論は、歴史的な事象の読み解きを可能にするだけでなく、同時代的な軍事的動向にも影響を与えていた。今回はその先駆的な提唱者として、アルフレッド・マハン、フリードリッヒ・ラッツェル、ハルフォード・マッキンダー、ニコラス・スパイクマンの4人を取り上げ、軍事戦略と地政学的観点の絡み合いを読み解く解像度を高めていく。(全7話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
地政学入門 歴史と理論編(4)シーパワーとランドパワーの教訓
古代ギリシアでアテナイという「シーパワー」と、スパルタという「ランドパワー」が長い戦争をした「ペロポネソス戦争」がある。当時のアテナイの将軍・トゥキディデスによると、アテナイのパワーの増大とスパルタへの恐れがこの戦争を不可避にしたということだが、その後の歴史を見ていくと、もう一つ大事な教訓が地政学の観点から導き出せる。それは何か。国の繁栄にも大きく関わるシーパワーの重要性を解説する。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
地政学入門 歴史と理論編(3)地政学でみたアメリカ・ロシア・中国
国や地域がどこに位置するかという普遍的な要素から、国際政治の歴史や情勢を分析する地政学。今回はアメリカ、ロシア、中国という3つの大国を例にとり、地図を俯瞰しながらどのような分析が可能になるかを具体的に見ていく。ランドパワーとシーパワーの違いといわれることはあるのだが、地政学的条件をひも解くと、アメリカの圧倒的な優位性が浮かび上がってくる。(全7話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
地政学入門 歴史と理論編(2)なぜ地理が重要なのか
国際政治を地理的要素に着目して分析するのが地政学だが、なぜ地理が国家間の政治を考える上で重要な要素になるのか。その理由は地理が持つ「不変性」にあると小原氏は言う。また、地理を考えるときに欠かせないのが地図で、見方によってその中心に位置する国や地域が変わるため、世界の見え方、政治的な意味合いも変わってくる。そんな地理と政治の奥深い関係を、具体的に地図を見ながらひも解いていく。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
国際政治を地理の観点からひも解く「地政学」という学問。近年、耳にすることも多くなった分野だが、どのような手法や意義を持った学問であるかを学ぶ機会は少ない。その基礎から学ぶことのできる今回のシリーズ。まず第1話では、地政学の「3つの柱」を中心に、その骨子となる視座を解説する。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
戦争と平和の国際政治(4)情報の選択と教育の重要性
混沌とした国際情勢をどのように読み解き、考えていけばいいのだろうか。鍵となるのは情報の選択である。インターネットなどであらゆる情報が飛び交う中、適切な情報を選び取るために何が大事なのかを説く。講義後半では講演後の質疑応答編として、教育の重要性について、「謙虚さ」というキーワードとともに解説していく。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
戦争と平和の国際政治(3)3つの危機と「国家と社会の関係」
ロシアのウクライナ侵略や台湾危機などの国際的緊張だけでなく、感染症や気候変動といった人類規模の問題に直面している現代。かつてないほど「安全」というものの価値が高まる中、いかにして個人の「自由」を守っていくべきだろうか。安全と自由の間で揺れるわれわれに向けて、「国家と社会」をキーワードにその指針を示す。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
戦争と平和の国際政治(2)台湾危機と中国の合理性
ロシアのウクライナ侵攻は、日本にとってより身近な台湾危機とも無関係ではない。これからますますの緊張が予想される中台関係を、われわれはどのように注視すればいいのか。2024年に総統選挙を控える台湾の政局と、その台湾を取り巻く中国・アメリカの動きを整理し、習近平国家主席の考える合理性を読み解く必要を論じる。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
戦争と平和の国際政治(1)「合理性の罠」とインテリジェンス
ウクライナ戦争や新型コロナウイルス感染症などにより、世界情勢は混迷を極めている。われわれはこの状況で、国際政治をどのように見ていけばいいのだろうか。そこには国内政治を理解するのとは異なる難しさがあるというが、まずはロシアのウクライナ侵攻を例にとり、国際政治を見る際に誰もが陥りがちな「合理性の罠」、そして国際政治のカギを握るインテリジェンスについて解説する。(全4話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
2024年危機~米中関係の行方(5)米中ロの地政学的関係と日本の防衛力
権威主義的なロシアと中国の連携が強まり、アメリカを筆頭とする民主主義的な国との緊張が高まっている。世界の二極化は今後加速していくだけなのだろうか。両者の対立を激化させず、危機を回避するために必要な日本の防衛力と外交について論じていく。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
2024年危機~米中関係の行方(4)習近平の一強体制と中国の外交
中国との地道な対話が日本にとっても重要であることをこれまで確認してきた。その中国は、現在どのような外交的課題を抱えているのか。また、鄧小平氏以降の「改革開放」路線は、習近平政権の一党支配的な政治においてどのように引き継がれようとしているのか。外交、経済の両面から、習近平政権の問題点を解説する。(全5話中第4話:2022年9月6日開催ウェビナー〈2024年危機…米中関係の行方〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
2024年危機~米中関係の行方(3)台中問題と安全保障の道
台湾と中国の情勢次第では、日本にも軍事的な動員が求められるのか。台中の危機的状況が予測される中、その「有事」を起こさないために、日本がこれから実行していくべき外交とはどのようなものか。また、国民一人ひとりにできることは何か。ウェビナー参加者からの質疑応答編第1弾。(全5話中第3話:2022年9月6日開催ウェビナー〈2024年危機…米中関係の行方〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
2024年危機~米中関係の行方(2)民主主義の後退と中国の「民主」
種々の政治的問題は当然、国民の生活にも影響を及ぼすが、米中の国民はいったいどのような政治的関心を持っているのだろうか。最新の調査をひも解くと、アメリカでは国民の関心事や価値観が分断され、二極化が進んでいることによって、世界的にも「民主主義の後退」と「権威主義の広がり」が見て取れるという。そうした状況と、米中の「民主」をめぐるイデオロギー対立を踏まえ、両国の緊張関係、その複雑さを解説する。(全5話中第2話:2022年9月6日開催ウェビナー〈2024年危機…米中関係の行方〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
2024年危機~米中関係の行方(1)台湾統一をめぐる米中の攻防
緊張が続く米中関係は、今後どのように展開していくのだろうか。中国と台湾の政治的な節目を照らし合わせると、台湾危機も2024年以降に重大な局面が訪れる可能性が指摘されている。その局面に備え日本が取るべき対応も含め解説する。(全5話中第1話:2022年9月6日開催ウェビナー〈2024年危機…米中関係の行方〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ウクライナ侵略で一変した国際政治(5)台湾問題と国際社会の声
ロシアを相手に戦うウクライナの姿は、わたしたちに国を守る覚悟、その重さを問いかけてくる。安全保障や防衛同盟は、核恫喝のもとでどこまで頼りにできるのか。今、日本以上に切実なのは台湾である。プーチンと習近平の置かれた条件は違うが、鍵になるのはアメリカの動きである。国際社会も一枚岩ではない。国によりイデオロギーだけでなく、国益が違うからだ。それでも国際秩序を守る方向性の確認が、今後の指針となる。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ウクライナ侵略で一変した国際政治(4)情報戦争と核恫喝
ウクライナ侵略は情報戦争の熾烈さを浮き彫りにしている。人々の意思も認知も左右する情報とどう対峙していくかは、今われわれが直面している課題である。プーチン大統領による核恫喝の問題はより深刻に世界の歴史を揺るがしつつある。今歯止めをかけるのは、日本の役割ではないだろうか。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ウクライナ侵略で一変した国際政治(3)欧州の安全保障とエネルギー依存
ウクライナ侵略の勃発により、地続きのヨーロッパは大きな方針変更を迫られた。ことはユーラシア全体の安全保障問題に関わるため、中国やアメリカにも波紋が広がっている。さらに問題は経済やエネルギー転換の領域にも及ぶ。当然日本も無傷ではいられない。(全5話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ウクライナ侵略で一変した国際政治(2)地政学とロシアの行動原理
ウクライナ侵攻開始時のプーチン大統領演説は、冷戦以降の歴史的経緯、ロシア周辺の地政学、さらにはロシア人の行動原理を知らなければ理解できない。今回はプーチンが口にした「NATOの脅威」について、あるいは「ウクライナをナチ政権と呼ぶ」根拠はどのあたりにあるのか、ご解説いただく。(全5話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
ウクライナ侵略で一変した国際政治(1)歴史的経緯とNATOの存在
ロシアによるウクライナ侵略によって、国際政治は一変したといわれる。だが、具体的には何がどう変化したのか。この問題について大事なのは、両国のみならずヨーロッパとロシア、さらにアメリカも含めた各国の関係、その歴史的経緯とともに地政学で考えるということだ。そうした観点で今後の安全保障の秩序を考えていくとき、鍵を握るのはNATOの存在である。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「危機の時代」の気候変動(6)エネルギーの安定供給のために
各国が化石燃料から再生可能エネルギーに移行する中で立ちはだかるのは、電力の安定供給をどのように担保するかという問題である。特にエネルギー価格の高騰など世界が危機に瀕した時に、その問題は顕わになる。再生可能エネルギーへの移行期をどう乗り切るかについて、注視すべき点を見ていく。(全6話中6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「危機の時代」の気候変動(5)ネットゼロと地政学的駆け引き
COP26でも各国が「ネットゼロ」を表明し、動き出している。だが、これは実に遠い目標であり、各国がネットゼロにどの程度インセンティブをもって取り組むのかについては疑念が残る状態である。さらに大国間における地政学の駆け引きも絡み、それらが問題をさらに難しくしている。(全6話中5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「危機の時代」の気候変動(4)投資と途上国支援
CO2排出削減への努力として柱となるのは、投資と途上国支援である。現段階でCO2排出量の大きいのは途上国であり、これらの国々にCO2排出削減を促すためにはさまざまな支援が必要となる。さらに、もう一つ大きなテーマとして「排出権取引」があり、炭素税といった税制も含め、制度についての議論も進めていく必要がある。(全6話中4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「危機の時代」の気候変動(3)技術革新とEVの普及
CO2排出削減の重要なカギを握るのが技術革新である。その大きな柱として挙げられるのが「電気自動車(EV)への転換」と「燃料としての水素の活用」の2つだ。日本はこれまで“カイゼン”を得意とし、技術改良を進めてきたが、今ドラスティックな変化も必要とされている。(全6話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「危機の時代」の気候変動(2)CO2排出削減かオフセットか
現在CO2排出削減に向けて、各国がさまざまな取り組みを行っている。主なものは、排出枠の取引といった制度、電気自動車への移行、さらに再生可能エネルギーへの転換などだが、世界炭素市場が拡大する中、日本はいくつかの難題を抱えている。そこで今回は、日本の状況と、中国やヨーロッパがどのようにシステムの転換を図り、また成果を上げているのかについて見ていく。(全6話中2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「危機の時代」の気候変動(1)3つの危機とCOP26の成果
世界は今、3つの危機の中にある。その一つが「グローバルな危機」で、中でもCO2などの温室効果ガスによる「気候変動」が世界共通の問題となって久しい。2021年に開かれたCOP26でも、「今後、気温上昇幅を1.5度以内に抑える必要がある」という認識が共有され、それに向けて努力することが確認された。そのことは評価に値するのだが、国際政治的な観点からみると、そこには国ごとにかなりの温度差があるという。(全6話中1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
習近平―その政治の「核心」とは何か?(6)米中問題と中国共産党の今後
一党支配体制の中国において、「党の安全」は最重要事項である。そのため、「一帯一路」を貫く、中国の対外政策にも非難の声が集まっている。米中覇権争いが激化する中、中国共産党は2021年7月に創立100周年を迎えた。権力の集中化が強まる習近平政権のもとで、中国はどこに向かうのか。習近平政権についての深掘り編講義・第5話。(全6話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
習近平―その政治の「核心」とは何か?(5)中国の国内情勢と対外政策
中国政治の歴史は、「収(集権化)」と「放(分権化)」を繰り返しており、習近平政権では「収」が進んでいる。外交政策においては、ナショナリズムを背景として、強硬路線を続けており、欧米を中心としたリベラルな国際秩序との関わりが注目されている。習近平政権についての深掘り編講義・第4話。(全6話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
習近平―その政治の「核心」とは何か?(4)独裁の危険性と習近平思想
習近平の時代になって、反腐敗闘争の結果、不正が減ったことは国民から評価されている。一方で習近平への権力と権益の集中は、独裁につながり、文化大革命のようなことが再び起きかねないと危ぶまれている。これは一党独裁体制ゆえの問題でもあるが、今回注目したのは憲法にも入っている「習近平思想」についてだ。「新時代の中国の特色ある社会主義」ということだが、いったいどういうことなのか。(全6話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
習近平―その政治の「核心」とは何か?(3)権力の集中と反腐敗闘争
武漢で新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた際、中国政府による初動の遅れが問題となった。一党支配体制におけるトップダウンの行政指令型には、トップが判断を誤った場合のリスクが大きいことが指摘されている。それでもなお、習近平への権力の集中化は止まらない。その背景には何があるのか。(全6話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
習近平―その政治の「核心」とは何か?(2)習近平の生い立ちと純潔化
2012年に中国共産党トップに就任した習近平は、すぐさま反腐敗運動を展開した。これには権力闘争の側面があることも指摘されているが、これほどまでに「純潔」を求める理由には、彼の生い立ちが大きく影響している。習近平政権についての深掘り編講義・第1話。(全6話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
バイデンの政治とアメリカの民主主義(4)民主主義の灯台になれるのか
新型コロナウイルスの感染者数・死者数ともに世界一を記録しているアメリカだが、経済回復に向けて、バイデン政権の手腕が問われている。これから、人種差別問題や所得格差、政治的分断を乗り越え、失われつつあるアメリカ民主主義への信頼を取り戻せるのか。バイデン政権についての深掘り編講義・最終の第3話。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
バイデンの政治とアメリカの民主主義(3)「大きな政府」を目指すバイデン
小さな政府による市場経済を進めてきたアメリカだが、所得格差や気候変動の問題が顕著になっており、バイデン政権のもとで「大きな政府」への転換に舵を切っている。そこで問われているのは政府と市場の関係だ。バイデン政権についての深掘り編講義・第2話。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
バイデンの政治とアメリカの民主主義(2)バイデン大統領の経歴と試練
歴代最高齢の米大統領ジョー・バイデン氏は、実は大変な苦労人でもある。幼少期には吃音に悩まされ、また29歳で上院議員に当選した直後、交通事故で妻と娘を失ったが、そうした悲劇、逆境を乗り越えていったことが、現在の彼の人格、政治家としての人生を形作っている。現在、年齢による健康状態が不安視されているが、彼が向き合う課題はトランプ前政権により拡大した社会の分断をどう克服するかということだ。はたしてこの大きな試練、乗り越えることができるのか。バイデン政権についての深掘り編講義・第1話。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
バイデンの政治とアメリカの民主主義(1)バイデン政権の特徴
2020年のアメリカ大統領選挙において、民主党のジョー・バイデン氏が共和党のトランプ氏に勝利し、史上最高齢ながら第46代大統領に就任した。政治的分断が深まる中、中道派を貫くバイデン政権の特徴について解説する。(全4話中第1話)
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中国の夢」とはいかなるものなのか。(全6話中第1話)
2021年米中関係と日本外交の針路を読む(4)【質疑編】アメリカか中国か、難しい選択
米中関係は今後、どんな展開を見せるのだろうか。「トゥキディデスの罠」という話が出ているように、パワーバランスが変わるときは戦争が起こる可能性があるということで、米中もその罠に陥るのは何としても避けないといけない。そこで、注目されるのが、4月の日米首脳会談とその後発表された共同声明の意図、その意味についてである。トランプ政権時に乱れかかった同盟網をもう一度踏み固める狙いはあるが、中国はそこをどう捉えているか。
米中という超大国がぶつかり合うことになれば、日本だけではなく、そのはざまに置かれているアジアの国々も含め、もし「アメリカか中国か」という二者択一の選択を迫られると非常に厳しいことになる。ということで、最終話は講義後の質疑編<後編>として、米中関係の今後と日本の針路について話を伺った。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
(※本シリーズ講義は時事テーマで、より早い配信が望ましい内容ですので、講義動画、リード文、資料レジュメ<第1、2話>での配信となります)
2021年米中関係と日本外交の針路を読む(3)【質疑編】バイデン政権の外交と中国のディール
バイデン政権の外交をどう見るか。トランプ前大統領との違いについては、追及している利益、価値がずいぶん違うと小原氏は言う。米中関係において、短期的な通商上の利益を優先させたトランプ前大統領に対し、バイデン大統領は「民主主義対専制主義の闘い」という発言からも伺えるように両国の間には簡単にディールできない、本質的な問題が存在するとして、個々の問題はそれぞれシングルイシューとして分けて考える姿勢を見せている。例えば、気候変動問題において、ケリー米大統領特使が中国側の責任者と会談したが、「アメリカと協力していく」という中国側の発言の裏には他の米中問題も一緒くたにして取引するディールがあるのではと考えられるのに対し、アメリカ側からすれば、それはあくまで個別の問題だと考える。ということで、今回は講義後の質疑編<前編>として、バイデン政権のこれまでの外交と、米中間で展開されている外交戦について話を伺った。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
(※本シリーズ講義は時事テーマで、より早い配信が望ましい内容ですので、講義動画、リード文、資料レジュメ<第1,2話>での配信となります)
2021年米中関係と日本外交の針路を読む(2)米中外交協議と日本の国益
バイデン大統領は2021年3月3日に暫定的な国家安全保障戦略のガイダンスである「Interim National Security Strategic Guidance」を発表。その中には「民主主義」「同盟」「パートナー」という言葉が頻繁に出てくる。つまり、バイデン政権は、「民主主義」といった価値を重視するとともに、同盟国、パートナー国との連携、協力を大事にするということだ。また、権威主義が広がっているとして、その中心として中国やロシアの名を挙げている。そうした流れの中、同年3月18日、アラスカで米中の外交協議が行われ、そこで激しいやり取りが交わされている。中国は「戦狼外交」ともいわれるように、「やられたらやり返す」といった応酬がそこではあったという。最近の中国メディアの報道を見ると、「対等外交」という言葉も出てきており、アメリカに対する対等意識が非常に高まっていることが伺える。では、こうした米中の対立が激しくなってくる中、日本はどうすればいいのか。日本が追求する国益は、国家・国民の安全であり平和である。高まっている戦争のリスクを抑え込んで、平和を維持し、経済を繁栄させる。そのための最善の策は何かが今、問われている。(全4話中第2話)
(※本講義は時事テーマで、より早い配信が望ましい内容ですので、講義動画、リード文、資料レジュメでの配信となります)
2021年米中関係と日本外交の針路を読む(1)日米首脳会談と4つの焦点
2021年4月16日、日米首脳会談が行われ、その後、「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」というタイトルの共同声明が発表された。その中身はいったいどのような内容なのか。実際に読み進めていくと、「インド太平洋」という言葉が頻繁に出てくるという。つまり、そこには、日米がこれからタッグを組んで外交を進め、安全保障、経済の分野においても協力をして、この地域の安全・安定・繁栄、そのための秩序を守っていくというメッセージが込められていると言及する小原氏。さらに共同声明の焦点として、「台湾」「尖閣諸島」「人権問題」「地球規模問題」の4つを挙げて、それぞれ解説を進める。(全4話中第1話)
(※本講義は時事テーマで、より早い配信が望ましい内容ですので、講義動画、リード文、資料レジュメでの配信となります)
米中関係の行方と日本の今後を読む(12)中国の対日認識と日本の役割
まさに一筋縄ではいかない米中関係と国際関係の中で、日本が取るべき対応についてはどう考えればいいのだろうか。これまでのように受動的な立場を守るのではなく、積極的に具体的なプロジェクトを積み重ねること、それには政府だけでなく企業も一丸となった姿勢が必要だということだ。(全12話中第12話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(11)バイデンの外交政策
2020年はアメリカ大統領選挙の年であり、トランプ氏が続投するのか民主党のバイデン氏が政権を奪還するのかに注目が集まっている。トランプ氏が続投すればポピュリズム政治が続き、社会の分断はさらに進むだろう。バイデン氏が宣言しているのは、民主主義の立て直しであり、それは世界に波及していく。(全12話中第11話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(10)南シナ海・台湾問題
米中の対立をめぐって、南シナ海と台湾の問題が焦点を集めている。特に台湾の統一は、習近平国家主席にとって「中国の夢」を完成させるための画竜点睛というべき重要事項だ。中国は一国二制度による問題解決を望んできたが、事態の進展が見られないことから武力の使用も辞さない態度を見せ始めている。(全12話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(9)米中戦争の可能性はあるのか
地政学の原点にさかのぼると、「ハートランド」と「リムランド」という概念が浮上する。超大国アメリカひいては中国にとって日本が地政学上大切なのは、日本がハートランドの周辺にあるリムランドであるからだ。では対立するアメリカと中国は、本当に戦う可能性はあるのだろうか。世界を揺るがす事態を検討する。(全12話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(8)中国の独走を抑える
中国は一帯一路を進め、欧州にも触手を伸ばすが、実際に海洋の覇権を握るのはアメリカである。それを牽制するため中国は中距離弾道ミサイルを用い、自由諸国は「自由で開かれたインド太平洋」構想を中国への対抗軸として機能させようと躍起だ。このいたちごっこは、中国の独走を抑えるものだろうか。(全12話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(7)新冷戦の影とシーレーン
「新冷戦」がささやかれるほど対立の続く米中間で、戦いを避け勢力均衡を保つ鍵はシーレーンにある。中国は太平洋をアメリカと二分割する腹案を持つといわれるが、仮に実現したとすると日本にとっては死活問題だ。今や抑えるもののない大国に成長した中国に対するパワーはどうあるべきなのだろうか。(全12話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(6)アメリカの模索する道
戦狼化する中国外交に対し、アメリカは「対中関与政策」終了を告げ、デカップリングを進めている。だが、国民の生活に根付いた中国依存を拭い去ることは容易ではなく、中国を顧客とする企業活動にもさまざまな軋轢が起こっている。自由・民主か経済利益かの葛藤には、日本企業も巻き込まれかねない。(全12話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(5)中国の自信と変化する中国外交
現在の中国外交には変化の兆しがある。一つは「戦狼外交」として、外部からの攻撃に対してすかさず反撃を加える点だ。もう一つは「probing(探り)」といわれ、小出しに当たって相手の反応を見る方法だ。いずれも中国が世界の大国化したことで膠着や変化を見せる国際情勢に対応するための方法だ。(全12話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(4)国民を代表する党と対中強硬路線
コロナ禍において、米中両国でデモと鎮圧が起こり、メディアの映像を通して相似した図式が露わになっている。人類にとって究極の恐怖は安全を脅かされること。アメリカでトランプ大統領に対する支持が盛り返している背景には、そうした治安の悪化に対する不安や恐怖がある。そんな中、安全を守っている政党はどこかという話になると、コロナによる多くの感染者や死者を出しているアメリカの共和党や民主党は本当に国民の安全を守っているのか、むしろ中国共産党ではないかという議論もある。(全12話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(3)主権か治安か、監視か銃か
コロナによる複合危機の中、問われているのは社会や国家の安全をどう考え評価するかということだ。それは為政者のみならず市民一人一人が考えるべき問題である。銃を持つことは権利でもあればリスクでもあり、監視され管理されることは安全につながる。それは大統領選挙にもつながる二者択一だ。(全12話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(2)「複合危機」が分けた明暗
新型コロナウイルスの蔓延によって「健康の危機」だけでなく「経済の危機」ももたらされた。互いにトレードオフの関係に二つの「複合危機」にどう対応すればいいか、簡単に結論は出ない。このパンデミックはいつ終わるのか。ワクチン開発競争に明かりは見えるのだろうか。(全12話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
米中関係の行方と日本の今後を読む(1)『コロナの衝撃』と米中の感染状況
世界がコロナパンデミックの脅威にさらされた2020年。コロナが国際政治、特に米中関係に与えている影響が大きいものがあったことはご承知の通りだが、実際にどんな影響があったのか。そして、「複合危機」といわれる健康と経済のジレンマの中、米中関係は今後どうなっていくのか。大統領選の結果次第だが、両国の関係はどういった方向に向かうのか。シリーズを通して米中関係の行方と日本の今後を読む。(全12話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(6)日本の役割
ウイルスの抑え込みと経済活動の制限は深刻なジレンマとなっており、新興国では大きなダメージを負っている。こうして起こる悪循環を抑えるためにも国際協力や強い国のリーダーシップが必要となるが、アメリカにその役目は期待できない。では世界のイニシアティブを取るのは中国なのか。また、そうした中で日本が担うべき役割とは何か。(全6話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(5)デカップリング問題
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、世界中で特にアジア人への差別や排他的な論調が深まっている。そうした中、注意しなければいけないのはデカップリング問題だ。米中によるハイテク覇権争いが繰り広げられているが、今はそんなことをしている場合ではない。そうした動きを乗り越えて、世界の国々が国際協力に取り組んでいかなければならない。(全6話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(4)リーダーの役割
国家が危機のときのリーダーの役割、その行動が今、問われている。重要となるのは、情報を適切に集約し、タイムリーにメッセージを伝えることである。そこで考えなければいけないのは、国家は何のために存在するのかということだ。最も大事なのは、国民の自由と安全を守ることである。(全6話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(3)政治のメッセージ
危機のときには、政府のトップがどのようなメッセージを国民に発していくのかが非常に大事である。それは、いくら給付するかというような枝葉末節の話ではない。そこで注目したいのはドイツのメルケル首相がメッセージで訴えたことだ。そうした政治のメッセージが今、日本でも求められている。(全6話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(2)アジア諸国の対応
過去に類を見ないウイルスの蔓延に対して、アジア諸国、特に台湾がうまく対応して抑え込みを進めることができたのはどうしてなのか。それにはITインフラの整備状況や隣国との関係、政治体制の違いなどが関係している。(全6話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(1)中国の対応
中国の新型コロナウイルスへの対応は、初動に失敗したが、その後、本当にうまくいっているのか。これについては、SARSでの教訓の活用や、プロパガンダへの利用、サプライチェーンの問題など、多面的な評価から判断する必要がある。特に考えなければいけないのは潜在的感染者の存在である。(全6話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
新型コロナウイルスによる世界変動(7)国際協力に向けて
ウイルスの感染拡大に対する各国の対応が分かれたのは、選挙等の政治的思惑が絡んでいたからでもある。こうした事情を超え、ウイルスという共通の敵に対して国際協力を行っていくことが求められる。そのためには大事な要素が6つあるという。それはどんなことなのか。(全7話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
新型コロナウイルスによる世界変動(6)終息後の世界
ウイルスの感染拡大が終焉を迎えた世界には何が訪れるのか。注意すべきはデカップリングとナショナリズムの高揚による、国際社会の分断である。さらなる未来のウイルス感染に対峙すべく、国際的な協力体制を確立しなければならない。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
新型コロナウイルスによる世界変動(5)中国の措置の是非
中国が新型コロナウイルスに対して取った措置は、果たして今後のモデルとなり得るのか。民主主義国家の場合、権威主義体制の国家とは異なり、プライバシーや人権に配慮した対策を取らなければならないため、中国のような措置は取れないが、学べる部分もある。それは何か。米中対立、世界の安全保障問題と合わせて議論する。(全7話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
新型コロナウイルスによる世界変動(4)各国政府の対応
新型コロナウイルスは株式市場にも混乱をもたらしたが、これは世界経済がますます不確実になっていくことを示している。この問題を解決し、早く正常化させるためにも、各国の政府はどんな対策が必要となるのか。ワクチン開発だけでなく、学校閉鎖や隔離、検疫の実施などいわゆる「介入」が効果的手段として指摘されている。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
新型コロナウイルスによる世界変動(3)世界経済への影響
コロナウイルスがもたらした世界経済への悪影響として、グローバルなサプライチェーンに対する打撃がある。世界中で部品が製造されている以上、どこかで生産が止まると製品の供給が止まってしまう。さらに、そこに2つの大きな悪い要素が重なっている。石油価格暴落とアメリカ株式市場の暴落だ。そこには、感染症の問題とは違った要素があるという。それは何か。(全7話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
新型コロナウイルスによる世界変動(2)中国経済のジレンマ
各国の経済状況をどのように読み解くべきか。中国はすでに感染終息宣言を出す勢いだが、経済状況の回復にはまだ時間がかかる見込みである。それには、最近転換しつつある中国の産業構造も関係している。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「教養」と「リベラルアーツ」の違いとテンミニッツTV
講演会終了後の質疑応答編で、リベラルアーツの本質についての質問に答える。日本における教養主義とは異なる考え方をアメリカから学ぶことで、新たな時代の教育理念を考える。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
新型コロナウイルスによる世界変動(1)2つのアジェンダ
コロナウイルスの世界的な拡大によって、世界はどのように変わっていくのか。各国の状況を見ると、政治体制ごとで異なる施策と成果がもたらされている。しかし、どの国も共通して、ある種のジレンマを抱えている。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(11)日本の選択肢:後編
日本にとって現実的な選択肢は、リベラリストとリアリストの間を進むということである。そこにおいて、日本は新しいグローバルスタンダードをつくることが求められている。そのための競争にどう立ち向かうべきか。今、競争は国境で制約されていない。そこをうまく利用すべきである。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第11話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(10)日本の選択肢:前編
米中関係の分断に際して日本が取り得る方針として、融合を模索するリベラリストの考え方と、力の均衡を目指すリアリストの考え方である。両者はそれぞれどういった考え方なのか。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第10話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(9)アメリカと中国の間の日本
アメリカがこれまでのような国際秩序の維持から撤退していくという動きを見せる一方、中国は経済発展こそ遂げたが、いろいろと問題を抱えていることも事実。そんななか、アメリカと中国の間で、日本はいかなる態度を取るべきなのか。そして日本が国際社会のなかで打ち出すことができるアイデアと秩序はどのようなものなのだろうか。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第9話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(8)中国共産党の正統性と限界
中国共産党は、経済成長とナショナリズムによって、正統性を維持してきた。しかし、今回の新型コロナウイルスの問題も含め、中国が今後どうなっていくのかについては現在、不透明な状況だ。はたして一党支配を持続することができるのか。持続的な経済成長は可能なのか。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第8話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(7)新たな国際秩序に必要な価値
リベラルな秩序のために犠牲を払ってきたアメリカは、自国中心主義に向かいつつある。そのようななか、中国は、新たな国際秩序の形成におけるプレゼンスを高めている。では、そこで中国が提供できる価値とは一体何なのか。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第7話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(6)対中政策の転換と中国の価値観
アメリカにとって、米中問題の深刻化はどのような意味をもっているのだろうか。中国への警戒感が増すにつれ、貿易だけでなく、安全保障にも絡む深い対立が見えてくる。そこで気になるのが中国のシステムだ。9000万人いるという共産党員は中国社会のなかでどんな関わり方をしているのか。また「核心的価値」といわれる中国の価値観とは。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第6話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(5)中国の夢とトゥキディデスの罠
中国は、アメリカと競争して覇権国家を目指そうとしているのか。習近平国家主席が語る「中国の夢」とは「強国強軍の夢」、つまり強い国になり、強い軍隊を持つことだと小原氏は言う。では米中対立は新しい冷戦なのか。「トゥキディデスの罠」では過去に覇権国家と新興国家が衝突した事例を挙げているが、米中対立はどうなるのだろうか。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第5話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(4)中国の戦略と世界進出
米中貿易戦争の背景には、近年中国が進めている戦略がある。「一帯一路」や技術覇権を強力に推進する「中国製造2025」といった戦略をどう見ればいいのか。また、中国の躍進の影にはどのような政治的・経済的プロセスがあったのか。特に中国政府が自国の企業の世界進出にどのように関与しているのか。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第4話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(3)新型コロナウイルス問題:後編
ウイルスの蔓延がもたらす中国への影響はどのようなものが考えられるのか。そこは、14億の中国人の自国への信頼感にも関わるものであり、注視していく必要がある。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より:第3話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(2)新型コロナウイルス問題:中編
現在の権威主義という中国モデルは、組織力や団結力といった面でいえば、新型コロナウイルス問題に対する中国の対応に関して利点ともいえる。しかし、これには前提条件がある。それは、正確な情報の開示をいかにタイムリーに共有するかということだ。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より:第2話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(1)新型コロナウイルス問題:前編
2020年、新型コロナウイルスの問題に関して、中国政府の対応にどんな問題があったのか。とりわけ中国においては情報の透明性が十分ではなく、政府のガバナンスへの批判もある。今回を含め計3話でこの問題について議論を進めていく。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より:第1話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(1)外交姿勢・前編
現在、中国が世界における影響力や存在感を強めている。大国となった中国の外交は、どのような変化を経て、何を目指しているのだろうか。中国外交の特徴と変化を5つの四字熟語から解き明かす。(全4話中第1話)
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(2)外交姿勢・後編
前回に引き続き、中国外交の特徴とその変化を、四字熟語から解き明かす。今回は、「核心利益」と「奮発有為」という2つから、大国となった中国の外交姿勢を明らかにする。(全4話中第2話)
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(3)大国外交
2008年以降の中国は、「韜光養晦」戦略の下での国際協調路線から、蓄えた力に依拠した大国外交へと、その外交方針を転換した。今回は、中国の大国外交の在り方が、「新型大国関係」、「中国の描くアジア新秩序」、「米中大国関係の展望」という3つの側面から解き明かされる。(全4話中第3話)
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(4)「中国の夢」
中国外交の将来を占うためには、中国が掲げる「中国の夢」について理解する必要がある。個人の夢である「アメリカン・ドリーム」と異なり、「中国の夢」は1つの運命共同体として捉えられた国家・民族・個人の夢である。それは、どのような特徴を持ち、どのように世界を変えていくのだろうか。(全4話中第4話)
国家の利益~国益の理論と歴史(1)国際政治経済の激変と日本外交の正念場
強いアメリカの退場、ロシア・中国の力による現状変更、統合を揺るがすナショナリズムの台頭とEUの直面する危機。激変する国際政治経済環境の中、「国益」の意味はかつてないほどに高まっている。本シリーズでは、東京大学法学部のゼミで教えている「国家の利益」を中心に、パワー、価値、国際秩序の在り方等について、歴史的・理論的に考えていく。(全16話中第1話)
国家の利益~国益の理論と歴史(2)ペロポネソス戦争の教訓
国益の歴史は、古代ギリシャに始まる。ペロポネソス戦争の歴史を記したトゥキディデスの『戦史』では、国家の利益や正義がパワーによって決まるリアリズムの世界が克明に描かれている。今回は「メーロス対談」が投げかける疑問と、「トゥキディデスの罠」について考えてみたい。(全16話中第2話)
国家の利益~国益の理論と歴史(3)マキャベリとホッブズによる新「国家」観
16世紀のヨーロッパに国益の概念をよみがえらせたのは、マキャベリの『君主論』である。キリスト教的正義や倫理よりも政争に勝つ理性を尊ぶ論は、発表当時は恐れられたが、100年後にはフランスで実践されて、「レゾンデタ(国家理性)」という新語を生み、ホッブズの「主権」概念につながっていく。(全16話中第3話)
国家の利益~国益の理論と歴史(4)「リヴァイアサン」を考える
「リヴァイアサン」は、旧約聖書に登場する海の怪獣である。ホッブズは、その身体を無数の人民からなると考え、国家の象徴とした。「正当化された暴力の独占」を国家に見たのは後世のマックス・ウェーバーである。ホッブズの問題提起はヨーロッパでの国家論に大きな影響を与え、さまざまな議論が続く。(全16話中第4話)
国家の利益~国益の理論と歴史(5)ウィーン体制と勢力均衡
近代ヨーロッパに広まった国家理性は、果てなき国益戦争につながった。その反省から、オランダのグロティウスは自然法に基づく国際法の概念を準備し、ナポレオン戦争後のウィーン体制がヨーロッパに国際秩序をもたらしていく。今回はメッテルニッヒを中心に、勢力均衡に注力した人々の方針を学んでいく。(全16話中第5話)
国家の利益~国益の理論と歴史(6)近代日本の国益とパワー
近代ヨーロッパが国際秩序を模索する中、長い鎖国を解いた日本は国家を意識しないまま、「弱肉強食」の欧米列強と渡り合う世界に飛び込んでいく。国際感覚と国益の概念は、近代日本でどのように築かれたのか。今回は岩倉使節団を迎えたビスマルクの言葉を最初の手がかりに、近代日本の迷走ぶりをたどる。(全16話中第6話)
国家の利益~国益の理論と歴史(7)パワーと国益が支配した二つの世界大戦
世界大戦の深刻さは、近代兵器による殺傷力の高さだけでなく、国民経済や一般市民を総動員する総力戦にもよるものだ。ささいな火種が瞬く間に広がり、全ヨーロッパを巻き込んでいくのは、国際間の同盟関係がマイナスに働くためである。二つの世界大戦の経緯と各国のパワーや国益について考えてみたい。(全16話中第7話)
国家の利益~国益の理論と歴史(8)冷戦期の「戦争と平和」
第二次世界大戦が終盤に入る1945年2月にヤルタ会談は開かれた。以後、アメリカ中心の資本主義国陣営と、ソ連中心の共産主義国陣営の間で東西冷戦が本格化する。その後の歴史から見て、ヤルタ会談はどう位置付けられるのだろうか。今回は冷戦期の国際政治の経緯とともに核開発競争についても考える。(全16話中第8話)
国家の利益~国益の理論と歴史(9)キューバ危機と世界益・人類益
1962年のキューバ危機は、人類が第三次世界大戦に最も近づいた13日間と呼ばれる。それは核戦争を意味するだけに、事態に直面したケネディとフルシチョフの両首脳は、両国が可能な限りの譲歩と歩み寄りを模索した。自国の利益とともに、「人類の利益」を尊重することが政治指導者の理性を磨いたのである。(全16話中第9話)
国家の利益~国益の理論と歴史(10)冷戦終結と9.11の衝撃がもたらした変化
1989年、ベルリンの壁の崩壊が冷戦終了を告げ、ヨーロッパはEUを拡大・進化させる。一方、湾岸戦争の勝利で国際正義を実現したアメリカが経済的にも世界の覇者となる。しかし、冷戦下に進行した世界の軍事化・暴力化は、2001年の同時多発テロの呼び水となった。9.11以降の世界が直面する問題の原因を探っていく。(全16話中第10話)
国家の利益~国益の理論と歴史(11)世界の無秩序化と米中新冷戦
「国益」を中心に世界史を振り返ってきた本シリーズだが、今回は現在進行中の問題にフォーカスする。それは誰もが注目し、未来への指針と感じている「米中関係」である。ここでは米中の政治モデルの優劣、熾烈さを増す米中貿易戦争に続いて、リベラルな国際秩序の瓦解への憂慮が述べられていく。(全16話中第11話)
国家の利益~国益の理論と歴史(12)日本の国益―「開かれた外交」を目指して
日本の国益とは? その答えはイデオロギー的にならざるを得ない。国益追求を強硬外交につながる排他的で危険な概念とする流れがある一方、国際協調を弱腰と批判し、国益を強く主張する流れもある。しかし、国益と国際協調は二者択一なものではない。今追求すべき「開かれた国益」について考えていく。(全16話中第12話)
国家の利益~国益の理論と歴史(13)そもそも「国益」とは何か?
「国益(国家の利益)とは何か」との問いは、「国家とは何か」と「利益とは何か」という二つの問いに分解することができる。これまでの講義で歴史的に明らかにしてきた国家の成立理由をもとに、今回は「国家理性」と「権力政治」の観点から、国家が並存する国際社会の中での国益について分析していく。(全16話中第13話)
国家の利益~国益の理論と歴史(14)国家の「利益」とは何か
前回の講義では「国家理性」と「権力政治」の関係から「国益」とは何かを探った。今回は、国家の3要素(国民、領土、主権)と「国際益」「人類益」から国益を考えてみる。人類共通の利益であるはずの国際益(世界益)を追求する立場からは、21世紀的外交のあるべき姿も見えてくる。(全16話中第14話)
国家の利益~国益の理論と歴史(15)国益の確定
国益を確定するのに大事なのは「バランス」、そして国内における「適切な制限」と「全体性」だとされる。国家・国民の生存と安全、そのために必要なパワーの追求、国家の主要目標である死活的国益がバランスを失した例は戦時中の日本、大国の周辺に位置する小国家群、さらに覇権国家など、枚挙にいとまがない。(全16話中第15話)
国家の利益~国益の理論と歴史(16)国益とパワーと価値(道義)の関係
15回におよんで主に「国益」とパワーを考えてきた連続講義だが、最終回では「価値(道義)」に目を向ける。「パワーか正義か」がよく問われるが、国家の行動は、国益とパワーだけで決定されるわけではない。道義が国益に優越した例として、ナチス・ドイツに立ち向かったイギリスやケネディの決断がある。(全16話中第16話)
北朝鮮の脅威と日本の国益(1)北朝鮮の脅威とは
北朝鮮は、長らく日本の脅威であり続けているが、日本の国益の中で最も重要である国家・国民の生存と安全にとって、最大の脅威は核・ミサイルの開発である。これまで北朝鮮の非核化に向けてさまざまな交渉がなされてきたが、2010年代から各国との関係が悪化してきている。その経緯と背景について解説する。(全9話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(2)朝鮮半島の非核化
目指すべきなのは「朝鮮半島の非核化」だが、この言葉はよく吟味する必要がある。まず、北朝鮮だけでなく在韓米軍が有する核もまた、一挙に廃棄しなければならない。さらに、非核化といった際には、核爆弾だけでなく開発プログラムや技術もすべて廃棄しなければならない。(全9話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(3)「悪人」か「弱者」か
北朝鮮の非核化問題をめぐっては、「悪人の論理」と「弱者の論理」という2つの考え方がある。「悪人の論理」に基づけば、制裁や武力攻撃が必須である。それに対して「弱者の論理」に基づくと、解決のためには平和体制の構築が求められることとなる。(全9話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(4)非核化と平和体制構築
現在のトランプ政権周辺は、北朝鮮への制裁を支持する強硬派が影響力を強めている。しかし、こうした手段は北朝鮮の徹底抗戦を導いてしまう。実際に金正恩氏が求めているのは経済的繁栄である。それゆえ非核化を引き換えにした経済的基盤の提供が、問題解決の糸口となる。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(5)デカップリングの可能性
「悪人の論理」と「弱者の論理」をどのように駆使し交渉するかは、非常に難しい問題である。しかしその中で、北朝鮮は日米韓の安全保障上の国益の違いを突き、分離工作を画策する可能性がある。それゆえ北朝鮮との交渉は、より広い文脈で捉える必要がある。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(6)北朝鮮とイラン
現在はイランにおいても核開発問題が出ている。さらにはイランにはテロ勢力も存在し、核兵器にとどまらない安全保障問題を抱えている。今後の国際社会の平和に大きな影響を及ぼさないためにも、北朝鮮との非核化交渉は絶対に成功させなければならない。(全9話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(7)日韓関係と北朝鮮の外交
日韓関係が悪化しているなか、韓国では文政権に対して国内保守系メディアからの批判もあり、今後の動き次第では状況が変わる可能性もある。他方、北朝鮮は韓国に対して外交的駆け引きを行い、国内で失いかけている求心力を取り戻そうとしている。(全9話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(8)米・中・韓の駆け引き
北朝鮮の韓国への駆け引きは、米韓関係を引き裂き得る踏み絵のようなものである。現状では国連制裁に抵触するために経済的援助はできないが、今後のアメリカ、中国、韓国の出方次第では一気に情勢が変化し、融和方向にも緊張方向にも向かう可能性があるだろう。(全9話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
北朝鮮の脅威と日本の国益(9)多極化の時代へ
日本の国益を考えた際、短期的にはアメリカの北朝鮮に対する出方が、長期的には、その結果としての在韓米軍の撤退が、日本の安全保障にとって大問題になる可能性がある。いずれにせよ今後は多極化の時代に入っていく中で、より戦略的な観点に立つ必要があるだろう。(全9話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
国際政治を見る視点~外交の現実と理想(1)外交官と学者
国際政治を見る視点のあり方が問われている。かつて「外交実務者」として外交の現場に身を置いた小原雅博氏は今、国際外交を研究・指導する「学者」としてジレンマを抱えているという。それはどんなことなのか。また、情報化が進展化した現代において、国内世論はどれほどの影響力を持つようになったのか。(全6話中第1話)
国際政治を見る視点~外交の現実と理想(2)現実主義と理想主義
国際政治を見る視点として、現実主義と理想主義という二つの考え方をもとに議論していきたい。日本では、両者が対立し相容れないことは、集団的自衛権をめぐる議論でも経験したことだ。国際秩序が動揺すると、理想主義より現実主義の力が強くなる傾向がある。両者をバランスよく兼ね備えるには、どういう点に注目すればいいのだろうか。(全5話中第2話)
国際政治を見る視点~外交の現実と理想(3)悲観論と楽観論
前回は国際政治における「現実主義」と「理想主義」の対比を見たが、今回は「悲観論」と「楽観論」を考える。世界が注視する中国の動向についても、現実主義:理想主義、悲観論:楽観論を組み合わせると、4種類のシナリオが出来上がるのだ。そこでは、複雑に絡み合う外交と内政の関係も大切な要素になる。(全6話中第3話)
国際政治を見る視点~外交の現実と理想(4)パワーと正義が形作る国際秩序
国際秩序は普遍的なものではない。力(パワー)と価値(正義)の相互関係によって形成され、変化していく流動的なものといえる。21世紀に入り、パワー・シフトが進むなか、中国やロシアは力による現状変更に動き出している。二つの正義と力がせめぎ合う例として、南シナ海における人工島問題を取り上げる。(全6話中第4話)
国際政治を見る視点~外交の現実と理想(5)映像の力と人間の感情
外交に大きな影響を与える要素として、人間の感情を忘れてはならない。今回は人々の感情に大きく訴えかけることで国際政治を動かし、あるいは歴史を変えたかもしれない写真をいくつか紹介。さらに、日中首脳会談における握手の変遷の様子から見て取れる両国の関係について解説いただく。(全6話中第5話)
国際政治を見る視点~外交の現実と理想(6)対外イメージと対中認識
一枚の写真が世界を動かすように、国家や指導者のイメージや事件に対する認識の問題も、国際政治にとっては極めて重要である。例えば、中国に対する日本の国民感情はこの40年で悪化しているが、中国の対日感情はその逆で改善している。また、世界では日本ほど中国に対するイメージは悪くない。よって、日本は否定的・悲観的対中観が世界に共通する認識ではないことを知る必要があろう。(全6話中第6話)