川瀬慈

国立民族学博物館学術資源研究開発センター教授/総合研究大学院大学教授 /映像人類学者

プロフィール

1977年岐阜県生まれ。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了後、マンチェスター大学グラナダ映像人類学センター研究員、SoundImageCulture(ベルギー)客員講師などを歴任。
主にエチオピアを中心に、アフリカの音楽文化に関する人類学研究、ならびに民族誌映画制作に取り組む。
人類学、シネマ、コンテンポラリーアートの交差点から、文化の記録・表現の地平を開拓する。

代表的な映像作品に
『ラリベロッチ』
『僕らの時代は』
『精霊の馬』
『Room 11, Ethiopia Hotel』(イタリア・サルデーニャ国際民族誌映画祭にて「最も革新的な映画賞」受賞)。

共編著に
『アフリカン・ポップス!――文化人類学からみる魅惑の音楽世界』(明石書店、2015年)、
『フィールド映像術』(古今書院、2015年)等。

講義一覧


エチオピアの子供たちとの対話映像から見える課題

映像で考えるエチオピア(1)映像人類学という手法

国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏は、アフリカ、主にエチオピアの音楽や宗教を対象とした人類学を専門とする研究者である。川瀬氏は、映像によって調査者と被調査者がともに分析を進めるという映像人類学の手法を使って研究を進めてきた。川瀬氏の映した映像を見ながら、エチオピアの食、子ども、宗教、暦といったテーマを考えていこう。(全5話中第1話)


エチオピアのストリートチルドレンの生存戦略

映像で考えるエチオピア(2)ストリートチルドレンの実態

日本の3倍の国土に、80以上の民族、100以上の言語。エチオピアは豊かで独特の文化がある国だ。国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏は、その文化に好奇心を刺激され、長年研究を続けている。その中で今回は、ストリートチルドレンの実態についてお話を伺った。(全5話中第2話)


エチオピア正教会から邪教とされる憑依儀礼「ザール」

映像で考えるエチオピア(3)宗教儀礼「ザール」とは何か

エチオピアの人々は実際に、どのように宗教を信仰しているのだろうか。国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏は、エチオピア北部の「ザール」と呼ばれる憑依儀礼に着目する。霊媒者が精霊と人々のコミュニケーションを仲介し、独特の言語、音楽を用いて儀礼がなされるというのだ。映像を観ながら、その実態について川瀬氏の解説を聴こう。(全5話中第3話)


元旦は9月、1年は13か月―エチオピアの複雑な暦

映像で考えるエチオピア(4) エチオピア暦とティムカット

多様な文化を持つエチオピアでは、暦も独特だ。長い歴史を持つエチオピア暦はグレゴリオ暦と異なり、新年は9月に始まる。また、13の月があり、ユニークな祝日も多くある。エチオピアの代表的なお祭り「ティムカット」の映像を観ながら、国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏の解説を聴こう。(全5話中第4話)


ストリートチルドレンが自立するには何が必要か?

映像で考えるエチオピア(5) ストリートチルドレンの自立

ストリートチルドレンは、大人になるとどうなるのか。自立する者もいるが、物乞いのままの者もいる。国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏は、開発援助の対象を保護するだけではなく、彼らがいかに自立するかを検討しなくては意味がないと語る。(全5話中第5話)