早乙女勝元

元東京大空襲・戦災資料センター名誉館長/作家

プロフィール

1932年、東京に生まれる。
12歳で東京大空襲を経験。
働きながら文学を志し、18歳の自分史『下町の故郷』が直木賞候補に。
『ハモニカ工場』発表後は作家に専念。
ルポルタージュ『東京大空襲』がベストセラーになる(日本ジャーナリスト会議奨励賞)。
1970年「東京空襲を記録する会」を結成し、『東京大空襲・戦災誌』が菊池寛賞を受賞。
2002年、江東区北砂に「東京大空襲・戦災資料センター」をオープン、館長就任。
2019年7月、東京大空襲・戦災資料センター館長を退任し、名誉館長に就任。
2022年 逝去(享年90)

主な作品に
『早乙女勝元自選集』(全12巻/日本図書センター)
『生きることと学ぶこと』
『戦争を語りつぐ』(以上岩波書店)
『戦争と子どもたち』
『図説・東京大空襲』(以上河出書房新社)など。

講義一覧


「神風の一員になれ」と言われた少年時代

東京大空襲と私(1)昭和20年3月10日の体験

平成30(2018)年は、東京大空襲から数えると73年に当たる。今年も3月10日には東京都の慰霊堂で営まれた法要に多くの人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。都は3月10日を「平和の日」と定めている。この悲劇の記憶を風化させない活動に半生を捧げてきた東京大空襲・戦災資料センター館長で作家の早乙女勝元氏が、自らの体験を語り起こす。(全3話中第1話)
※撮影協力:東京大空襲・戦災資料センター


全国に広がった「空襲を記録する会」の運動

東京大空襲と私(2)「空襲を記録する会」と戦災誌の編纂

一面の焼け野原から出発した東京の復興を後押ししたのは、1950年の朝鮮戦争勃発に伴う特需景気である。しかし、横田や入間の米軍基地から飛び立つB-29の行く手に、民間人の多大な被害が待っていることはあまりに明らかだ。苦渋の中、東京大空襲・戦災資料センター館長で作家の早乙女勝元氏は「生い立ちの記」として小説を書き始める。それが、空襲記録運動の始まりとなる。(全3話中第2話)
※撮影協力:東京大空襲・戦災資料センター


戦争体験を語り継ぐ東京大空襲の資料館

東京大空襲と私(3)東京大空襲・戦災資料センター設立

戦後70年以上たった現在、戦争の記憶を「知らない世代」へ継承していく手法が注目されている。1945年3月10日の東京大空襲以来、その体験の共有を生涯にわたって追求してきた東京大空襲・戦災資料センター館長で作家の早乙女勝元氏は、戦争体験者の高齢化と若者の活字離れを早くから予測し、「東京大空襲・戦災資料センター」の設立に取り組んできた。(全3話中第3話)
※撮影協力:東京大空襲・戦災資料センター