現場に疲弊感が押し付けられる日本の安全管理の実態
ヒューマンエラーと経営戦略(1)お客さま目線の安心
会社内で安全とは何かをきちんと定義しないまま、現場の人間にとにかく安全対策を取らせるような指導法が、現在の日本では蔓延している。現場の疲労感を蓄積するだけの安全対策をやめ、お客さまの「利用したくない」を減らしていくことが安全対策なのだと、慶慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏は指摘する。(全10話中第1話)
慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授
ヒューマンエラーと経営戦略(1)お客さま目線の安心
会社内で安全とは何かをきちんと定義しないまま、現場の人間にとにかく安全対策を取らせるような指導法が、現在の日本では蔓延している。現場の疲労感を蓄積するだけの安全対策をやめ、お客さまの「利用したくない」を減らしていくことが安全対策なのだと、慶慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏は指摘する。(全10話中第1話)
ヒューマンエラーと経営戦略(2)安心ブランドの獲得
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏は、安全対策を成長戦略の一環として捉えるべきだと主張する。目先のエラーや事故を防ぐことに終始するのではなく、その先にあるお客さまや地域社会から評価されることを目指した、安全への取り組みが不可欠だ。安全・安心というブランドを得れば、企業の大きな付加価値となる。(全10話中第2話)
ヒューマンエラーと経営戦略(3)レピュテーションリスク
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、安全管理をレピュテーションリスクとして考えることの重要性について解説する。安全に関する社員教育が難しくなる中で、ハインリッヒの法則のヒヤリハットが注目を集めている。しかし、そこには大きな誤解があると岡田氏は指摘する。お客さま目線でヒヤリハットを考えることこそが重要だ。(全10話中第3話)
ヒューマンエラーと経営戦略(4)中間管理職の役割
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、お客さまのヒヤリハットを収集する際に注意すべき点について解説する。中間管理職の役割は、レピュテーションリスクの大きさに合わせてヒヤリハット対策を練り、クレームや苦情を現場のプラスになるように翻訳することである。安全の考え方を経営戦略の選択肢の一つとして捉えることが重要だ。(全10話中第4話)
ヒューマンエラーと経営戦略(5)ヒューマンエラー対策
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、安全対策の2つの方法について解説する。一つは、再発防止に向けたヒューマンエラー対策である。もう一つは、未然防止に向けたもので、作業の信頼性を上げる条件設定である。問題は、本社が現場の状況を把握しておらず、ヒューマンエラー対策のシステムが機能しないことだ。(全10話中第5話)
ヒューマンエラーと経営戦略(6)未然防止とリスクの許容
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、事故の分析で日本企業が陥りやすい誤謬について解説する。事故の分析といえば、すぐにレアファクターばかりが検証されるが、未然防止にとって重要な事は、普段の状態、すなわち定常作業の分析である。リスクを許容しなければ、リスクアセットもマネジメントも不可能だ。(全10話中第6話)
ヒューマンエラーと経営戦略(7)気付く力と社員教育
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、安全対策に向けて現場の意識を考えていくためのポイントを解説する。安全対策を個別に見るのではなく、会社全体の価値を上昇させていくという視座で捉えることが重要だ。そのためには、安全・安心の先にあるお客さまを見据え、プロ意識を持って現場の人が仕事に取り組まなければならない。(全10話中第7話)
ヒューマンエラーと経営戦略(8)質疑応答編1
安全・安心のブランドイメージの醸成はどのようにして可能なのか? 「良い仕事」を目的とした安全活動を継続していくためには、どんなフォローアップが必要か? 「ありがとう」と言える文化をつくっていくために、まず始めるべきこととは? 慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が講演後、会場からの質問に答える。(全10話中第8話)
ヒューマンエラーと経営戦略(8)質疑応答編2
「良い仕事」をするための、金銭以外のモチベーションとは何か? エラーを避けるためにリスクを取ろうとしない社員に対して、管理職はどのように対応すればいいのか? 慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、講演後の質問に答える。岡田氏によれば、目先の利益と10年後の会社への投資とを分けて考えなければならない。(全10話中第9話)
ヒューマンエラーと経営戦略(8)質疑応答編3
「気付く」人を育てる教育とは、どのようなものか? 職場の外国人に向けて、ヒューマンエラーをマネジメントする際のポイントとは? ヒューマンエラー・マネジメントにおいて、日本にはどのような特色があるか? 慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、講演後、会場からの質問に答える。(全10話中第10話)
安全活動の構築と企業戦略(1)「安全」と「安心」
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏は、社会が求める「安心」を考慮した安全活動の重要性を指摘する。企業は事故を減らすことだけを目標とした安全活動に陥らないよう、企業の経営目標と整合させた安全活動を実践することが必要である。(2018年2月15日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「組織の総合力向上から地域の活性化までを目標とする安全活動の構築」より、全7話中第1話)
安全活動の構築と企業戦略(2)安全活動がもたらすレピュテーション
安全活動をどのように行うかで、その企業のレピュテーションは変化する。その変化は非常に緩やかであるが、企業の強靱性を高めることになる。利用者や地域の期待に応える安全活動は、未来への投資と言える。慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、安全とはなにかについて解説する。(2018年2月15日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「組織の総合力向上から地域の活性化までを目標とする安全活動の構築」より、全7話中第2話)
安全活動の構築と企業戦略(3)事故、トラブルを企業価値の観点から評価する
事故、エラーを生命への実施的危険だけで捉えると、現代の日本社会における安全活動は非常に高い質を達成できている。しかし、一方で、社会からの安全・安心へのリクエストは強い。このずれを的確に埋めていくためには、「事故やエラーは企業価値を損なう事象である」として捉え、適切なリスク管理を丁寧に行うことが重要である。この点を現実のマネジメント支援の経験をもとに慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が説明する。(2018年2月15日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「組織の総合力向上から地域の活性化までを目標とする安全活動の構築」より、全7話中第3話)
安全活動の構築と企業戦略(4)ヒューマンエラー対応策を講じる場合の基本的考え方
ヒューマンエラーに対応するためには、2つの壁を構築する体制が重要であると慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が主張する。(2018年2月15日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「組織の総合力向上から地域の活性化までを目標とする安全活動の構築」より、全7話中第4話)
安全活動の構築と企業戦略(5)ヒヤリハット事象から収集される情報の問題
ヒヤリハットのような情報を集めていても、事故の未然防止にはつながらない。これは収集されている情報が質量共に不足しているからである。この情報収集の問題を解決するためには、現場の意識改革が重要であると、慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏は主張する。(2018年2月15日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「組織の総合力向上から地域の活性化までを目標とする安全活動の構築」より、全7話中第5話)
安全活動の構築と企業戦略(6)安全意識と安全活動に対する意識の違い
しばしば現場の安全意識を高めることが問題になる。だが、「ぼくは安全意識が低いです」などという人はほとんどいない。このギャップはどこから生じるのか。慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏は、漠然とした意識という概念で語るのではなく、個別の活動、仕事に対する、各人の意識、つまり理解レベルで考えていくことが必要であると説く。(2018年2月15日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「組織の総合力向上から地域の活性化までを目標とする安全活動の構築」より、全7話中第6話)
安全活動の構築と企業戦略(7)質疑応答編
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、会場からの質問に回答する形でヒューマンエラーの背後にある価値という問題について解説する。(2018年2月15日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「組織の総合力向上から地域の活性化までを目標とする安全活動の構築」より、全7話中第7話)